61 / 75
第61話*
りっくんたちとの旅行から帰宅した翌日の、ゴールデンウィーク最終日。
バルコニーでお茶しながらまったりしてたら、去年のゴールデンウィークはどうしてたかって話になった。
「うーん・・・ほぼ毎日バイトしてたな・・・あとは勉強・・・部屋だと環境が良くなくて、昼間は図書館でやってた。カイは?」
「吉報が入って、休みを取って遠出してとんぼ返り。それから本屋に行って・・・」
「そうだった、俺を見つけたんでしたね」
カイがにこーっと笑う。
本屋に来たの、5月2日だったとか言ってたっけ。
「璃都 の匂いだけ、ね。本屋 から匂いを辿ってアパート見つけて、シグマにバイト先のシフトを確認させて、不動産屋に連絡して合鍵を用意して・・・」
「ちょっと待て!」
なに怒涛の勢いでストーカーしてんの!?
恐いが過ぎるんだが!?
「部屋、その日の内には入ってないよ?璃都が帰って来ちゃう時間だったし」
「いや、公園で会った日には入ったんだろ?それでなんで犯罪認定されないの?」
「最初に入ったのは鍵を手配した翌日の5月3日」
「そんな前から入ってた!?」
俺ガチでストーカーされてた・・・。
部屋、入られてた・・・。
お巡りさんこいつですっ!
「学校の休みは6日の月曜まで、バイトもずっと入ってたから、俺もずっと璃都の部屋入ってた」
「・・・なっ・・・こっ・・・ゎ・・・」
なんで入った?
入って何してた?
鉢合わせしてたら俺、どーなってた?
「ご質問は?」
「・・・なん・・・なに・・・・・・ない、です・・・」
聞いたらだめな気がする。
知らなくていい事も、世の中にはいっぱいあるんだ、きっと。
「璃都の部屋に入った理由は、もっと匂いを嗅ぎたかったから」
「言うなってば!」
質問ないって言ってんのに!
「部屋で何してたかとい・・・むぐ」
慌ててカイの口元を手で覆って塞いでしまった。
何してたかなんて知らなくていい。
「ひゃっ!?」
口元を抑えてた俺の掌 をカイがべろりと舐める。
やめろ、くすぐったい!
・・・なんでそんな事、話したがるんだよ。
「・・・んっ・・・ゃめ・・・」
力が抜ける。
カイが俺の手首を掴んで、口元から手を離した。
「璃都の事が知りたかった。どんな事でもいいから、全て。璃都が欲しくて・・・」
反省してるのか、後悔してるのか、オオカ耳を伏せて表情を暗くするカイ。
・・・別に、今更ストーカー行為で怒ったり訴えたりなんてしないのに。
「も、もお、今はカイのものだろっ。そんな思い詰めた顔しないでよ・・・」
俺がそう言うと、耳を立ててふわりと笑った。
・・・イケメンオオカミめ。
「ふふ、そうだね。夢みたいだ。部屋の中を隅から隅まで探り倒してごめん」
「探り倒したんだ?」
いい笑顔で何言ってんの?
やっぱ怒ろうかな。
「時々、物の位置とか変わってたの気付かなかった?」
「え、どれ?」
「璃都の部屋は物が少なかったから、こっそり持っていくって事も難しくて。同じ新品と入れ替えたりしてたんだけど」
まあ、物は少なかったよ。
無駄遣いしたくなかったし。
それより、新品と入れ替えてた・・・?
「俺が使ってた物はどうした?」
「・・・お茶、おかわりする?」
「話すなら全部白状しろよ!」
結局、何を盗っていってそれをどうしたのかは白状しないまま、カイの中途半端な懺悔は終わった。
───────
夜、風呂上がり。
ベッドで横になり、カイの頭を抱き込んで、ドライヤー済みのふわもふオオカ耳を撫でる。
これ、すっごい癒されるし、俺の寝付きも良くなるんだよな。
「ほんとに俺の耳が好きだね」
「うん、好き。やめられない」
「素直で可愛い。俺も璃都吸いできるしいいけど」
ずっと触りたかったんだ。
小学生の時、通学路にあった家がシベリアンハスキー飼ってて、大きいしちょっと恐いし、勇気がなくて触れなかった。
飼い主さんはいい人で、いつでも会いにおいでって言ってくれてたけど。
「結局触れなかったんだよな・・・茶々丸 ・・・」
「・・・・・・は?」
大人しく撫でられてたカイがぱっと顔を上げて、眉間に皺を寄せた。
え、なに怒って・・・。
「ちゃちゃまるって誰?まさか・・・イヌ?」
「う、うん、小学校の通学路に・・・ぅわっ!」
カイががばっと起き上がり、俺をベッドに抑え付けた。
え、ハイイロオオカミ獣人にイヌの話はNGなの?
「俺はイヌの代わり?犬種はなに?イヌがオオカミに勝てると思ってる?」
イカ耳で牙を剥 くカイザルさん。
いや、落ち着いてよ・・・。
「か、代わりなんて、違うってば!ただ、小学生の時は、あのハスキーが恐くて触れなくて・・・」
「しかもシベリアンハスキー!?全然似てないから!」
いや似てるなんて言ってないけど?
どうしちゃったの?
「わ、わかってるって!違うから!代わりとか似てるとか思ってない!カイはハイイロオオカミの獣人で俺の旦那でんぅ───っ!」
誤解を解こうとした口は、オオカミにがぶりと喰い付かれた。
大きな舌が侵入 ってきて、奥まで侵 される。
「ん"・・・ぐ・・・んゔ・・・っ」
苦しい・・・っ!
息・・・できな・・・い・・・。
「んはっ・・・やっ、くるし・・・んん"ぅぅ・・・っ」
放してくれないどころか、服の中に手まで入ってくる。
ちょっと待って、休み明けで明日から学校だから、今日はシないって約束したのにっ!
「んぁっ・・・ゃら、まっへ・・・」
「浮気者にはお仕置きしないとね」
浮気なんてしてないって!
シベリアンハスキー相手になに言ってんの!
しかも小学生の時の話なんだけど!
「ぅあき・・・ちが・・・」
「違わない。俺の耳触りながらシベリアンハスキーの事考えてたんでしょ?浮気だよ。許せない」
「ぁあっ!・・・や、ゆび・・・ぅあっ」
浮気だ許せないだ言ってる割に、手付きは優しい。
本気で怒ってはいないのか。
それとも冗談なのか。
「んあっ・・・ゃ、そこ・・・っ」
「ここ?好きでしょ。イってもいいよ」
ナカの弱いトコロをぐりぐりと指で押され、腰が浮く。
指でとか、嫌いなの知ってる癖に!
どうせやめてくれないなら・・・もう・・・。
「やぁっ・・・ちゃん、と・・・いれ、てぇ・・・っ」
「浮気者の癖に、すぐ挿 れてもらえると思う?」
「んぅ・・・ちが・・・ぁうっ」
だから、なんで小学生の時の思い出が浮気になるんだよ?
しかも相手が獣人ならまだしも、普通のイヌなのに。
「ふふ、挿 れて欲しいなら、できるよね?おねだり」
またそれ・・・。
いいよ、やってやろうじゃないか。
どうせ俺の羞恥心は、カイと2人きりの時ほとんど作動しなくなってるからなっ!
「カイ・・・んっ・・・ねが・・・いれて?・・・ん・・・ちゅ・・・ぉねがいっ」
「ああ・・・俺の璃都が可愛い・・・っ!」
「んぅ・・・んん"ゔぅ───っ!」
キスで口を塞がれたまま、一気に奥まで貫かれた。
気持ちいトコロを抉りながら押し拡げられ、ナカが痙攣する。
俺、この、キスハメってやつ、弱いから・・・。
「イっちゃった?」
「んぅ・・・ひ・・・ぅ」
「俺はまだだからね。ほら、頑張って?璃都・・・っ」
「ぅあっ!や・・・ぁあっ!・・・い・・・って・・・ひぅっ・・・」
まだ痙攣が止まらないナカを容赦なく責められて、嫌な予感が頭を過 ぎる。
この流れ・・・あれ、させられるのかも。
明日から学校なのにぃ・・・。
「んあ"っ・・・やらっ・・・いっ・・・く・・・もぉ・・・っ!」
「いいよ、ほら、潮吹きして見せて?」
それが嫌だって言ってんのっ!
変なクセ付けさせるなよっ!
風呂も入ったのにぃっ!
「ひ・・・っぁあ───っ!」
カイにナカ出しされながら、じょぱってお漏らしするみたいに潮吹きしてしまった。
ガクガクする身体を抑え付けられ、オオカミの射精が終わるまで、首や肩や胸を噛まれ吸われる。
だめだ・・・俺、気絶する・・・。
もう、朝起きるのも着替えるのも朝ご飯食べるのも車に乗るのも、全部カイに介助させよ・・・。
ともだちにシェアしよう!

