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第61話*

りっくんたちとの旅行から帰宅した翌日の、ゴールデンウィーク最終日。 バルコニーでお茶しながらまったりしてたら、去年のゴールデンウィークはどうしてたかって話になった。 「うーん・・・ほぼ毎日バイトしてたな・・・あとは勉強・・・部屋だと環境が良くなくて、昼間は図書館でやってた。カイは?」 「吉報が入って、休みを取って遠出してとんぼ返り。それから本屋に行って・・・」 「そうだった、俺を見つけたんでしたね」 カイがにこーっと笑う。 本屋に来たの、5月2日だったとか言ってたっけ。 「璃都(りと)の匂いだけ、ね。本屋(そこ)から匂いを辿ってアパート見つけて、シグマにバイト先のシフトを確認させて、不動産屋に連絡して合鍵を用意して・・・」 「ちょっと待て!」 なに怒涛の勢いでストーカーしてんの!? 恐いが過ぎるんだが!? 「部屋、その日の内には入ってないよ?璃都が帰って来ちゃう時間だったし」 「いや、公園で会った日には入ったんだろ?それでなんで犯罪認定されないの?」 「最初に入ったのは鍵を手配した翌日の5月3日」 「そんな前から入ってた!?」 俺ガチでストーカーされてた・・・。 部屋、入られてた・・・。 お巡りさんこいつですっ! 「学校の休みは6日の月曜まで、バイトもずっと入ってたから、俺もずっと璃都の部屋入ってた」 「・・・なっ・・・こっ・・・ゎ・・・」 なんで入った? 入って何してた? 鉢合わせしてたら俺、どーなってた? 「ご質問は?」 「・・・なん・・・なに・・・・・・ない、です・・・」 聞いたらだめな気がする。 知らなくていい事も、世の中にはいっぱいあるんだ、きっと。 「璃都の部屋に入った理由は、もっと匂いを嗅ぎたかったから」 「言うなってば!」 質問ないって言ってんのに! 「部屋で何してたかとい・・・むぐ」 慌ててカイの口元を手で覆って塞いでしまった。 何してたかなんて知らなくていい。 「ひゃっ!?」 口元を抑えてた俺の(てのひら)をカイがべろりと舐める。 やめろ、くすぐったい! ・・・なんでそんな事、話したがるんだよ。 「・・・んっ・・・ゃめ・・・」 力が抜ける。 カイが俺の手首を掴んで、口元から手を離した。 「璃都の事が知りたかった。どんな事でもいいから、全て。璃都が欲しくて・・・」 反省してるのか、後悔してるのか、オオカ耳を伏せて表情を暗くするカイ。 ・・・別に、今更ストーカー行為で怒ったり訴えたりなんてしないのに。 「も、もお、今はカイのものだろっ。そんな思い詰めた顔しないでよ・・・」 俺がそう言うと、耳を立ててふわりと笑った。 ・・・イケメンオオカミめ。 「ふふ、そうだね。夢みたいだ。部屋の中を隅から隅まで探り倒してごめん」 「探り倒したんだ?」 いい笑顔で何言ってんの? やっぱ怒ろうかな。 「時々、物の位置とか変わってたの気付かなかった?」 「え、どれ?」 「璃都の部屋は物が少なかったから、こっそり持っていくって事も難しくて。同じ新品と入れ替えたりしてたんだけど」 まあ、物は少なかったよ。 無駄遣いしたくなかったし。 それより、新品と入れ替えてた・・・? 「俺が使ってた物はどうした?」 「・・・お茶、おかわりする?」 「話すなら全部白状しろよ!」 結局、何を盗っていってそれをどうしたのかは白状しないまま、カイの中途半端な懺悔は終わった。 ─────── 夜、風呂上がり。 ベッドで横になり、カイの頭を抱き込んで、ドライヤー済みのふわもふオオカ耳を撫でる。 これ、すっごい癒されるし、俺の寝付きも良くなるんだよな。 「ほんとに俺の耳が好きだね」 「うん、好き。やめられない」 「素直で可愛い。俺も璃都吸いできるしいいけど」 ずっと触りたかったんだ。 小学生の時、通学路にあった家がシベリアンハスキー飼ってて、大きいしちょっと恐いし、勇気がなくて触れなかった。 飼い主さんはいい人で、いつでも会いにおいでって言ってくれてたけど。 「結局触れなかったんだよな・・・茶々丸(ちゃちゃまる)・・・」 「・・・・・・は?」 大人しく撫でられてたカイがぱっと顔を上げて、眉間に皺を寄せた。 え、なに怒って・・・。 「ちゃちゃまるって誰?まさか・・・イヌ?」 「う、うん、小学校の通学路に・・・ぅわっ!」 カイががばっと起き上がり、俺をベッドに抑え付けた。 え、ハイイロオオカミ獣人にイヌの話はNGなの? 「俺はイヌの代わり?犬種はなに?イヌがオオカミに勝てると思ってる?」 イカ耳で牙を()くカイザルさん。 いや、落ち着いてよ・・・。 「か、代わりなんて、違うってば!ただ、小学生の時は、あのハスキーが恐くて触れなくて・・・」 「しかもシベリアンハスキー!?全然似てないから!」 いや似てるなんて言ってないけど? どうしちゃったの? 「わ、わかってるって!違うから!代わりとか似てるとか思ってない!カイはハイイロオオカミの獣人で俺の旦那でんぅ───っ!」 誤解を解こうとした口は、オオカミにがぶりと喰い付かれた。 大きな舌が侵入(はい)ってきて、奥まで(おか)される。 「ん"・・・ぐ・・・んゔ・・・っ」 苦しい・・・っ! 息・・・できな・・・い・・・。 「んはっ・・・やっ、くるし・・・んん"ぅぅ・・・っ」 放してくれないどころか、服の中に手まで入ってくる。 ちょっと待って、休み明けで明日から学校だから、今日はシないって約束したのにっ! 「んぁっ・・・ゃら、まっへ・・・」 「浮気者にはお仕置きしないとね」 浮気なんてしてないって! シベリアンハスキー相手になに言ってんの! しかも小学生の時の話なんだけど! 「ぅあき・・・ちが・・・」 「違わない。俺の耳触りながらシベリアンハスキーの事考えてたんでしょ?浮気だよ。許せない」 「ぁあっ!・・・や、ゆび・・・ぅあっ」 浮気だ許せないだ言ってる割に、手付きは優しい。 本気で怒ってはいないのか。 それとも冗談なのか。 「んあっ・・・ゃ、そこ・・・っ」 「ここ?好きでしょ。イってもいいよ」 ナカの弱いトコロをぐりぐりと指で押され、腰が浮く。 指でとか、嫌いなの知ってる癖に! どうせやめてくれないなら・・・もう・・・。 「やぁっ・・・ちゃん、と・・・いれ、てぇ・・・っ」 「浮気者の癖に、すぐ()れてもらえると思う?」 「んぅ・・・ちが・・・ぁうっ」 だから、なんで小学生の時の思い出が浮気になるんだよ? しかも相手が獣人ならまだしも、普通のイヌなのに。 「ふふ、()れて欲しいなら、できるよね?おねだり」 またそれ・・・。 いいよ、やってやろうじゃないか。 どうせ俺の羞恥心は、カイと2人きりの時ほとんど作動しなくなってるからなっ! 「カイ・・・んっ・・・ねが・・・いれて?・・・ん・・・ちゅ・・・ぉねがいっ」 「ああ・・・俺の璃都が可愛い・・・っ!」 「んぅ・・・んん"ゔぅ───っ!」 キスで口を塞がれたまま、一気に奥まで貫かれた。 気持ちいトコロを抉りながら押し拡げられ、ナカが痙攣する。 俺、この、キスハメってやつ、弱いから・・・。 「イっちゃった?」 「んぅ・・・ひ・・・ぅ」 「俺はまだだからね。ほら、頑張って?璃都・・・っ」 「ぅあっ!や・・・ぁあっ!・・・い・・・って・・・ひぅっ・・・」 まだ痙攣が止まらないナカを容赦なく責められて、嫌な予感が頭を()ぎる。 この流れ・・・あれ、させられるのかも。 明日から学校なのにぃ・・・。 「んあ"っ・・・やらっ・・・いっ・・・く・・・もぉ・・・っ!」 「いいよ、ほら、潮吹きして見せて?」 それが嫌だって言ってんのっ! 変なクセ付けさせるなよっ! 風呂も入ったのにぃっ! 「ひ・・・っぁあ───っ!」 カイにナカ出しされながら、じょぱってお漏らしするみたいに潮吹きしてしまった。 ガクガクする身体を抑え付けられ、オオカミの射精が終わるまで、首や肩や胸を噛まれ吸われる。 だめだ・・・俺、気絶する・・・。 もう、朝起きるのも着替えるのも朝ご飯食べるのも車に乗るのも、全部カイに介助させよ・・・。

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