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再スタート2

 ヒートになったのは月曜日の午後だった。朝、体が熱いのに気づいて陸さんにはそのことは伝えた。多分、陸さんが帰ってくる頃にはヒートになってしまっているだろうから。  ヒートになった僕は寝室に籠もり、1人で熱を逃していた。ほんとに1人でこんなことするのは惨めだし嫌だと思いながらもこうするしかないのだ。 「ふっ……ん」  そうして何度も何度も欲を吐きだしたとき陸さんが帰って来た。 「遅くなってすまない。大丈夫か?」 「陸さん、抱いて……」  普段なら恥ずかしくて絶対に言えないようなセリフを言えてしまうのはヒートだからだ。きっとヒートが終わったら恥ずかしくて、いてもたってもいられなくなるんだろうけど。 「待ってろ」  でも、そういう陸さんの目は欲を孕んでいる。ラットを起こしたのだろう。今にも食べられてしまいそうな激しいキスをされ、僕は恍惚となる。このまま食べられてしまいたい。そう思った。  そして陸さんの唇は首筋、鎖骨を通り胸へと到達する。胸の頂を舌で舐められると体がびくんと跳ねる。僕の反応に気を良くしたのか乳首を執拗にせめられる。 「やぁ。あん、あぁ」  もう僕の口からはアルファに媚びる甘い声しかでなくなっているようだ。目の前のアルファに抱かれたい。僕の中にアルファの精子が欲しい。もう、そんなことしか考えられなかった。 「いいか?」 「いい。いいのぉ」 「いい子だな。もっと可愛がってやるよ」  その言葉が嬉しくて、もっともっとと強請る。右側の胸は舌で愛撫され、左胸は手で愛撫される。両方の胸を同時に攻められて僕の背は浮き、もっと欲しいと訴える。  そして左胸を愛撫していた手は背中へとまわり、背筋に沿ってなぞられる。そっとそっとなぞられることで僕の体はのけぞる。  背筋をなぞっていた手は下へと下がり、蕾みへと行く。指が一本入れられる。そこはもうとっくにぬかるんでいてびしょびしょだ。だから慣らす必要なんてないし、ラットを起こしているのならそんな余裕はないだろうに陸さんはそこを慣らした。 「いいから。もういいから頂戴。はやく」 「今やるよ」  僕があまりに強請るから慣らそうとする指を抜いて、僕を四つん這いにさせると代わりに陸さん自身が入ってくる。濡れていたから痛いとは感じない。 「あぁぁ」  陸さんは初めからガンガンと奥を攻めてきて、僕は余計に感じてしまう。 「あン。あぁ」 「クッ。千景、噛むぞ」 「はぁ。んっ。噛んで。噛んでぇ」  僕が了承したことで陸さんは項をペロリと舐めた後、がぶりと僕の項に噛みついた。普通なら痛いと感じそうなものだけど、ヒート時だからなのか痛いとは思わなかった。それよりも噛まれた後は僕の中のなにかが大きくうねり、陸さんと番になったことを体で感じた。 「千景。これで番だ」  陸さんの番になれた。それがどれだけ嬉しいか。僕は歓喜の声をあげた。 「嬉しぃ。陸さんの番になれた」  そして陸さんの腰の動きはさらに激しくなり、僕は甘い声をしきりにあげる。僕はもう誰も誘惑しない。僕が誘惑するのは陸さんだけだ。僕は陸さんだけのモノになったのだ。 「もう俺だけのオメガだ」  その言葉がどれだけ嬉しいか。陸さんと番になるなんて夢見ることさえできないようなことだった。それが自分の身に起こったんだ。 「りくさんのせーしちょうだい。おくにちょうだい」  番になったアルファの精子が欲しいと僕の体が訴えている。欲しい。精子が欲しいと。そんな僕に陸さんの腰使いは激しくなり、最奥を目指す。それでも足りないとばかりに奥を何度もノックして、その先へと入ろうとする。 「やぁ。そこはダメなのぉ。あぁ」 「ダメじゃないだろ。もっと欲しいだろ」 「はぁ。んっ。んっ。あぁ」  普通では入らないところをノックされ、こじあけられて目の前がチカチカする。そして、陸さんのモノは最奥へと入り込み、ガンガンと突いてくる。 「あぁ。イっちゃう。イっちゃう」 「イケ。思う存分イケ。いくらでもやるから」 「イクーーー」  そして僕は果てた。

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