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第4話 男子校

 2年ほど過ぎた頃、もう母はこの男を毛嫌いしていつも喚き散らすようになった。  家の中は殺伐としていた。 姉の玲奈は、男たちを利用して楽しく遊んでいた。数回中絶したようだ。俺のバイト代を借りに来た事もあった。  母親は、男の反対を押し切って、またスナックで働き始めた。 「だってこんな家にいたら息が詰まる。 退屈だし・・楽しくない。」  今の男を引っ掛けたスナックだった。 「生活する金はあるはずだ。家を守って家族の世話をしてくれ。  私は結婚にそういう事を望んでいるのだ。」 この男は母の性格を知らなさ過ぎる。 (ダメになるのも時間の問題だな。)  その頃の俺は、やる気のない高校生だった。渋々学校に行くのは、そこに恋人がいたから。 高校は,男子校だった。  特に同性愛を意識したわけじゃなかった。周りには男しかいない。身近な女は、姉と母親というクズ女だけだった。  好奇心からセックスをして見たかっただけだ。 意外とこれが俺の性格に合っていた。  でもゲイの奴はしつこい。今付き合ってる奴は俺を見つけると手を繋いでくる。他の奴と立ち話をしているとヤキモチを妬く。そろそろ終わりにしたい。  最初の経験は高1の時。 部活の先輩だった。帰宅部がいいと思っていたのにサッカー部に入ってしまった。魔が刺した。  更衣室でやたらと触ってくる先輩がいた。 その日は練習試合で、少ない部員だから、俺も出る事になった。 「俺、サポーター持ってねぇ。」  軽い練習ならピッタリした下着でよかったが、練習試合となると、ちゃんとしたカップの付いたサポーターが必要だ。何故かって?金的を守るためだ。男の大事なところ。 「ヒカル、チンサポ持ってねえの? 俺の貸してやるよ。」  部室に連れ込まれた。みんなウォーミングアップでグランドに出ている。  先輩はユニフォームを脱いでロングパンツも脱いだ。 「先輩、裸になる必要ないっしょ。」 部室の鍵をかけて俺を押し倒した。俺のパンツを脱がせて、舐め始めた。 「何すんだよ!」 「もう勃起してるよ。おまえ、エロだなぁ。」  経験ない、と言うとフェラチオだけでイカせてくれた。悔しいので先輩のペニスを扱いてこっちもイカせた。  その日の練習試合は散々だった。センターフォワードの先輩が腰砕けだったから。  高校の部活は、サッカー以外でリア充だった。 弱小サッカー部の汚名のまま。
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