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第30話 失われた10年
太一は思う。
3才の頃から15年くらいバレエをやっていた。その後、フラメンコを7年ほど。スペインに滞在していた事もある。
そして挫折して結婚。コキュ(寝取られ男)になった。
28才の男が今、初めての経験をする。
今まで本当の恋をした事はなかったような気がする。ヒカルに出会って初めて気付いた。
狂おしいほど求められて、禁断の世界に踏み込む。自分は間違っているとは、全く思わない。
ヒカルに出会うために生きて来た,とさえ思うのだ。
ヒカルがいつも持ち歩いているローションとゴムを見せた。恥ずかしそうに使い方を教えるヒカルが愛しい。
「いい年をして知らないことばかりで悪いね。」
風呂で優しく抱き合いながら、解し方を教わる。
風呂上がり、太一の部屋着を借りていたから長すぎる裾と袖を折り返しているのが可愛い。
妻のそんな姿を可愛いなんて思ったことはなかった。これが愛してる、と言うことなのか。
ヒカルの全てが新鮮だ。部屋着のズボンを下ろすと勢いよく飛び出したペニス。
思わず口で愛撫する。
「あっ、そんな事。」
ヒカルは端正な太一の顔でされていることに興奮する。足を広げられて、後孔に舌を入れられる。
そのまま、ペニスを扱かれるのが物凄く気持ちいい。
「太一のも舐めさせて。」
風呂上がりの石けんの匂いのする逸物を手で扱く。口いっぱいに咥える。
「すごい大きい。」
隆々としたモノを迎え入れたくて疼く後孔にローションを塗り込めた。
「大丈夫かい?入れてもいいか?」
もう指が2本入って中を広げている。亀頭が入って来た。
「あ、ああ、」
「痛くないか?すごくキツいんだが。
ヒカルを壊してしまいそうだ。」
裸の身体が密着するように奥へ進めていく。
「全部入れてもいいのか?」
腰を抱えられて入って来る。
ヒカルは片手でペニスを掴まれて奥で擦られる快感に我慢できずにイッてしまった。
腰を抱えられて抱き合う。くちづけを欲しがる。
「はあ、愛してるよ。」
太一は初めてこの言葉を口にした。
「俺も。ずっとずっと夢見てたんだ。あなたに抱かれる事。」
「ヒカルと結婚したかった。」
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