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第49話 ヒカル

「愛ちゃんとエレノアは愛し合ってるんだ?」 「そう、ずっと一緒にやって来たの。 でも、レズビアンってすぐにポルノにしたがる奴が多いんだよ。女が二人でエロいことするのが見たいって。」 「ああ、なるほど。男が二人じゃ絵にならないか?僕はエロいの、見たいけどな。」 「ヒカルと元ちゃんの絡みなら、イケメンだし、綺麗だよ,きっと。」 「想像すんなよ。俺、恋人いるから。」 (太一なんかもっと綺麗だよ。誰にもやらないけど。) 「へえ、どんな人?」 「凄く素敵な人。」 「きゃあ、会ってみたいな。」 「ただいまー。」 元ちゃんが帰って来た。げっそりやつれている。 「元太、大丈夫か?何された?」 「うん、考えたくない。役者続けたいなら何でもやらなくちゃ、とか言われた。」  一体何されたんだろう? 取り敢えずベッドに寝かせた。 「元ちゃん!身体中アザだらけだ!」 「なになに?これはどういう事?」 「うーん、ほっといてくれ!」 「あたし、聞いたことあるよ。 マサミさんって、サドなんだって。」  俺は思わず元ちゃんを抱きしめた。 「可哀想に。一人で戦ったんだね。 おれ、何も知らなくて。助けてやれなかった。」  世の中はこんな風に出来ているのか? 何かを頑張ろうとすると潰される。  みんな希望が持てない。  一方、ヤクザの斉藤さんは、玲奈を有効活用する事を考えていた。 「失うモノが多い人間は守りに入る。 弱いんだよ。  玲奈、おまえはもう無くすものなんかないだろ。俺の道具だからな。死ぬ気で働け。」

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