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第50話 ナンバーワン
平穏な日々は過ぎて行く。
ヒカルは太一に抱かれたくて、その筋肉に後ろから抱かれ続けたくて、必要以上にくっついている。太一は身体が大きい。背が高い分、骨格もしっかりしていて背中を包み込んでくれる。
挿入されて筋肉に抱かれるのが好きだ。
「ヒカルはすごく色っぽいね、僕はいつも欲情してるよ。」
そう言って首にキス。ゾクゾクする。
「はああ、もうダメになる。
しっかり抱いていて。」
離れ難い思いで抱き合っている。
同じベッドで眠る幸せ。目覚めるとそこにいてくれる。
「ヒカルが甘えてくれるのが嬉しいよ。」
涼しい瞳が見つめてくれる。
ホストの時の太一は他人の顔をしている。この所、ずいぶん太客がついてナンバーに入りそうな勢いだ。
ディアボラはアイドルみたいなイケメンが揃っているのだが、太一のような大人のムードは少なかったから、お姉様たちに人気だ。
ディアボラのナンバーワンは今でもレオンだ。
絶世の美青年。同性の恋人がいる事も隠さない
この恋人がまた、絶世の美丈夫だ。サムライという表現がぴったりなスパダリ。麻布のお屋敷町でバーをやっている。
『バー高任』お客さんのお供で太一はちょくちょく行っているようだ。
ヒカルはあまりアフターに関してはうるさい事は言わない。
最近ディアボラの近くに引っ越したので、ハルクは託児室に行かなくなった。ヒカルが面倒を見ている。時々かずさんに預けに来る。かずさんを大好きなハルクは大喜びだ。
ディアボラの託児室は子持ちのホストに喜ばれている。ハルクがいなくても,常時、だれかしら、利用している。
シンパパもいれば、夜職のパートナーがいるホストも助かっている。
同じビルの10階に同じく円城寺がやっている、キャバクラがある。『アンジー』
そこの嬢にもシンママがいるから預けに来る。
「託児室のアイデアはすごく良かったな。」
円城寺が嬉しそうだ。
「少子化対策に貢献してる。」
「どうせ、俺たちは子供作れないよ。」
ゲイの割合が多いディアボラのホストが僻む。
「次は高齢化対策だ。」
「誰が高齢だって?」
ディアボラの客層は、高齢の姫の率が高い。
「平均年齢が高いって?」
「悪かったわね。」
菫ちゃんは今年還暦。60才だ。
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