11 / 21

* * *

それから。 アロを満たす。それだけのことだったが、連夜の逢瀬が常になると、背徳の戯(あそ)びに溺れる俺とアロの行為はエスカレートしていった。 翌日の夜は、浴場で行為に及んだ。 体を洗ってやり、陰部を愛撫して、前夜のように尿の穴を掘り、尻の穴に淫具を入れて、最後の一滴まで放尿させた後で、もう一度体を洗ってやった。 その翌日も、深夜の浴場で落ち合った。 ガラス棒の代わりに埋め込んだ指で尿を掻き出しながら、アロの体の底に滾る熱と絶頂の狂おしい収縮を知った。 その翌日も、浴場で。 前夜から解(ほぐ)した尿道を指で拡げながら、尻を淫具で掻き回せば、アロはのたうちながらよがり、何度も昇天を繰り返した。 その次の日は、媚薬を流し込んだ尿の管を掻き回してやり、朝方にアロが「やめてくれ」と泣いて懇願するまで何度も絶頂させた。 来る日も来る日も。 昼にすれ違えば目と目で夜の約束を交わし、昼に顔を見なくても一方的に夜這い、既に寝ているアロを弄(もてあそ)ぶこともよくしたし、寝たふりの彼が待ち受けていることも多々あった。 行かない夜があれば、その翌晩か翌々晩、アロは「貴方の気まぐれには付き合えない」とか「もう飽きたのかと思いました」などと言って俺を詰(なじ)り、そんな時はいつもの倍以上の時間をかけて彼を慰めた。 1ヶ月続いたこれが2ヶ月、3ヶ月と続いても、俺は浴場でさえも決して脱がず、ペニスを挿入することも、彼に一切の”奉仕”を求めることもしなかったのは、万が一アロの”不貞”が叫ばれても、姦通や不義ではなく、俺の一方的な玩弄(がんろう)であれば非は俺だけにできる、そう意図してのことだった。 そして一方。夜を重ねるたびに、アロは綺麗になっていった。 戦場を生きていた頃の引き締まった体は、触れるほどに柔らかく、線が丸くなり、武神のようだった戦士の名残は今や消えつつあった。 去勢の影響で起こる変化が、俺のせいで、俺のためにそうなっていくような気がして、そんなはずはないとわかりつつも、まるで蝶のように美しく変貌していくアロの引力に抗おうとするほど、憑かれたように彼を悦ばせている俺がいた。

ともだちにシェアしよう!