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第137話 ※

 痛みが紛れて、快感に力が抜けていく。   「あぁ……っ、は、ぅ……」 「は……」  不意にリオールの肌とアスカの肌が触れた。  あ、と思うより先に、リオールに口付けされ、アスカは彼の首に腕を回した。  幸福感で満たされる。  お腹の中で感じられる熱。  ひとつになれた喜びが涙となって溢れていく。 「ん、アスカ……痛く、ないか?」 「っはい、嬉しいです……っ」  抱きしめられて、しかし彼は動くことは無い。  馴染むのを待ってくれているようで、それがまた胸を熱くさせる。 「リオールさま……」 「ああ」 「もう、大丈夫です、から……」  だが、アスカは奥が疼くのを感じて、もどかしさに喉を鳴らす。  甘えるようなその音に、リオールはドキッとして、アスカの細い腰を掴むとゆっくり律動を始めた。   「っん、ぁ、あっ、あ……っ」 「はぁ……」  中を蹂躙される感覚は初めてなのに、こんなにも気持ちがいい。   「リオールさまぁ、もっと……っん、ぁ、あ……ッ!」 「っ、」  痛みなんて感じていたのが嘘のようだ。  もっと、奥まで、彼を感じていたい。  段々と激しくなってきた律動に、アスカは目の前がチカチカとするのを感じた。  爪先がピンと伸びて、与えられる快楽に溺れてしまいそう。 「あ、あ……っ、あぁ……っ!」 「ぅっ!」  中にあたたかいものが広がる。  アスカはそれを感じながら、お腹を撫でて、リオールを見上げる。  彼は荒い呼吸をして、汗を浮かべていた。 「リオール様……」 「ん、アスカ……」 「はぅ、ん……」    唇が重なり、舌が絡められる。  広がる甘さに、まだ中に挿れられたままのそれにもどかしくなってくる。 「……もっと、欲しい……です」 「アスカ……っ」  囁くような声に、リオールの瞳が揺れる。  その瞬間、アスカはゆっくりと身体を翻し、自然と四つ這いの体勢へと移っていた。  突き出された腰。ふるふると震える太もも。  そして、汗に濡れたうなじを、誘うようにリオールの目の前に晒す。 「……アスカ?」  少し驚きの混じった声で呼びかけられる。アスカは小さく肩を震わせ、顔を横にそらした。 「こ、こうした方が……リオールさまが、もっと気持ちよくなれるかと……っ」 「……本能に、抗えなくなってきているな」  呟くような声。  だがリオールの視線は鋭く、しかし慈しみに満ちていた。  

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