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第二章 穢した愛 7 ⭐

「可愛い神官様。俺がいっぱい可愛がってあげる」    耳元に息がかかり、臀部に熱いものを押し付けられる。  もう中に入りたいと急かしているようだった。   「ねぇ、神官様……張形より俺のはデカいし、本物はもっと気持ちいいよ……?」  ――ユリセス様の声がする……。愛しい、あの低く震える声。    ユリセスじゃないとわかっていても、耳元に響くその声だけで、身体の奥が熱を帯びた。 「あれ? 神官様、どうしたの?」    男がククッと下卑た笑い声をあげる。    見なくてもわかる。    アドニスの中心ははち切れそうなくらい勃起していた。   「う、ううっ……」  ――……ユリセス様じゃないのに。どうして……。どうして、こんな……! 「俺は誰にも言わないから、一緒に気持ちよくなろう。ね?」    ぺろっと耳を舐められて、ぞくぞくと悪寒が走る。  この男にだけは――絶対に、渡したくなかった。  ユリセスに……ユリセスのために貞操を捧げたかった。   「んんーっ! んーっ!」 「抵抗してるの? もしかして初めてはあの騎士様にあげたかったとか?」    抵抗が途切れたその瞬間、男は勝ち誇ったように笑った。 「……やっぱりそうなんだぁ」  悔しさで目に涙が溜まる。  ――こんな男に……汚されたくない!   「神官様は純粋だね。だから汚したくなるんだよ」 「んんーっ!」    蕾に異物が入ってくる。  身体中が震え、背筋がゾワゾワとする。  中で動き回ると、それが「指」だとわかった。   「うわ、神官様の中熱いなぁ……。柔らかくて気持ちよさそう」    耳元にかかる息が熱い。  それだけで、ゾクリと背中が跳ねた。    ――お願い……ユリセス様の声で、こんなこと……言わないで……!    男はすぐに二本目を侵入させた。  乱暴に()き回されて、アドニスの顔が歪む。  ただ、ある一点を指の腹で(さす)られると、身体が勝手にビクビクと震える場所があった。   「ああ……もしかしてココ?」 「んんーっ!」  背中がびくんと反った。  指先がそこを擦るたびに、逃げられない快感が波のように襲ってくる。  ――ダメ……そこは……! 身体が壊れてしまう……!   「ココ気持ちいいんだ。(こす)ってあげる」 「んんーっ! んんっ!」    男の指が集中して擦り始めた。  そのたびに、アドニスの身体がびくびくと震え、中心が張り詰めていく。    ――ダメだ! この男の思い通りになっては! ユリセス様のために絶対に屈してはいけない!    下から上へと、背筋をなぞるように悪寒が這い上がる。  全身が震えるのをこらえ、歯を食いしばった。  噛みしめた布に、唾液がじゅわりと染みていく。    そして――  先端から、だらだらと蜜が溢れ落ちた。  熱い雫が、ぽた、ぽた、と床に音を立てて落ちていく。  知らぬ間にできた水たまりが、羞恥を映す鏡のようだった。  ――ユリセス様、どうか……助けて。このままでは、僕のすべてが壊れてしまう――。

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