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第二章 穢した愛 10 ⭐
「はい、時間切れ」
「えっ……」
油断した刹那、蕾が力づくで押し割られた。
メリメリと、裂けるような痛み――その奥に、熱く硬いものが、容赦なく侵入してくる。
「いやっ! やめて! やめてぇっ!」
「あと……もう少し……ほら、ほぐれてきた」
「いやぁっ! 離してぇっ!」
身体を左右に振れば振るほど、男の肉棒は簡単に秘肉に進んでいく。
「来ないで! いやっ……ああっ!」
全てが押し込まれた瞬間、アドニスの全身が跳ねた。
熱が、脈動が、鼓動が――まるで異物に身体を乗っ取られるみたいで。
「あー……気持ちいー。神官様の中キツキツじゃん。最高」
――中に、男のモノが入ってるの……? 僕はこの男に穢 されたの……?
灼熱がじわじわと、内側を侵してくる。
ひく、ひく、と奥で跳ねる異物に、脳が拒絶の悲鳴を上げた。
だけど、それは確かに、そこにある。
感触がはっきりと伝わった瞬間、アドニスの瞳から、音もなく涙が零れた。
喉がひゅっと鳴る。
心臓が小さく悲鳴を上げた。
――うそ……嘘だよ……。そこはユリセス様に捧げたかったのに……。
「お願い……抜いて……」
「え? 挿れたばっかりじゃん」
「お願い……そこはユリセス様に……」
突然、男は思い切り、腰を叩きつけた。
「ユリセスユリセスうるせーな! お前はもう俺のものなんだよ!」
「はううっ!」
肉棒が大きすぎて先端が付いた瞬間、直腸ごと刺激を与えられる。
大きさと太さと熱が、アドニスの肉壁に染みわたる。
抽挿を繰り返されるたびに、男の肉棒が出入りしている場面が脳内で浮かび上がる。
自身よりも太くて、浮き出た血管に凶悪な槍のような熱い凶器。
それが、アドニスの秘肉を蹂躙 していく。
まさに想像していたユリセスが、中にいる気がした。
――ダメ! ユリセス様じゃないのに! なのにどうして……身体は、ずっと彼を待っていたみたいに、熱いの……?
「ああっ……い、いやだっ……!」
肌を打つ水音が、いやらしく教会の空気を濡らす。
抗 う術 はもうどこにもなく、快感が全身をじわじわと浸食してくる。
「ひっ……あ、そこ……っ、やっ……!」
先端が触れるだけで、体が跳ねる。
自分が動かしてるんじゃない――男に動かされている。
「やめて……っ! そんな……責めないで……!」
叫び声の隙間に、甘く蕩けた喘ぎが混ざる。
それに気づいた男の動きが、さらに鋭く、狡猾 に変化していく。
「ふふ……神官様、もう待てないんでしょ?」
――ちがう……ちがう……! けれど、腰が……勝手に、後ろへ……。
「あっ! ああっ! あんっ!」
頭ではダメだとわかっているのに、もう快感が止まらない。
すでに男はアドニスが甘い声を出す場所をわかっていたようで、先端で執拗 に擦りつけた。
「ひいっ……! あっ……そ、そこ……やめ……」
「神官様は感じやすいのかな? 耳も弱いし、挿れただけで簡単に堕ちちゃうし、最高」
「ああっ……やめて……やめてぇ……」
「やめるわけないじゃん? ちゃんと身体に覚えさせるよ」
快感が、憎いほど甘くて――もう、止められない。
……やめて、やめたい、なのに。
身体の奥が、ずっと欲しがってる――。
「あっ……ああっ……そこ……つ、突いちゃ……」
身体が男の肉棒に馴染 んでいく。
その時だった。
抽挿のリズムが、ふっと止まった。
――え……?
欲しいと願ったのは、自分じゃない。
なのに、脳裏に浮かんだのは――明確な言葉。
『……お願い、果てさせて……』
……今のは、本当に誰かの声だった?
それとも――僕自身の、もう戻れない声……?
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