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第二章 穢した愛 13 ⭐
「まぁ、本音が聞けたからいいか。覚悟してね、神官様」
「え……あっ、あああああっ!」
男は弱い箇所を重点的に先端で擦り付けてきた。
刺激を受ける度に、喘ぎ声と身体から汗が飛び散る。
「あへっ……あえっ……あへぇっ……!」
「イきそうだけどいいの? 賭けに負けちゃうよ?」
突かれる度に、目の前で火花が飛ぶ。
――ダメだ。ダメだ。僕がみんなを守らなきゃ……!
ほんの一撫 でで、理性の糸が切れてしまいそうだった。
民とユリセス――その面影 だけが、まだアドニスを人として繋ぎとめていた。
「もう限界だよね? イッていいんだよ?」
「ううっ……あっ……ああ……いや……」
民とユリセスの顔を思い浮かべて、必死に耐える――それだけが、理性の支えだった。
だが、男の欲棒が脳髄を揺さぶるたび、記憶も祈りも掻き消されていく。
アドニスの意識は、もう崩壊寸前だった。
「ああっ……だめ……だめぇ……」
身体がガクガクと震え出す。
快感が暴走を始め、絶頂へのカウントが耳の奥で鳴り響く。
――出したら、終わる。
思い切り果てたい衝動を必死に押し殺して、アドニスは歯を食いしばった。
「強情だなぁ。このままじゃ、神官様……壊れちゃうよ?」
「だ……だめ……だめなの……僕がイッたら……っ!」
息も絶え絶えに言った瞬間、男の動きがふと止まる。
「……イッたら何?」
「うっ……み、みんなが……あなたに……襲われて……しまう……それが……全部……僕のせいで……!」
男はふふっと笑うと、堰 を切ったように高らかに笑い始めた。
「ははは……! なんだ、そんなこと気にしてたんだ」
「うっ……うう……お願い……赦して……」
――赦して、なんて。
本当はそんな言葉、言いたくなかったのに……。
崩れそうな心を、必死に支えるように目を閉じた。
そのとき――。
アドニスの耳元に、男が優しく囁いた。
「……誰も襲わないよ。だから、一緒に気持ちよくなろう? ね?」
心臓が、跳ねた。
――そんな約束、信じちゃいけない。信じたら終わりだ……。
そう思ったのに、身体の奥はすでに限界だった。
――本当に……本当に約束を守ってくれるの……?
中できゅっと締め付けると、男の肉棒がビクッとはねた。
――約束してくれるのなら……我慢をする理由なんて何もない……。
「あっ……ああ……」
アドニスの中で、最後の信仰が音を立てて砕けた。
祈るよりも早く、快楽がそれを塗り潰していく。
――嘘だ! 戯言 に決まってる! 僕を騙して……村を襲うつもりだ……!
「神官様、ほんと可愛いな……。ねぇ、そのまま、自分で腰動かしてごらん? 欲しがってるんでしょ?」
男に言われるがまま、アドニスは自然と男のタイミングに合わせて腰を振っていた。
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