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第三章 抗えない淫愛 7 ⭐
「手伝ってあげる」
男は指でアドニスの乳首をいじり始めた。
「あっ……ダメっ!」
抵抗する力もなく、男は思うままに乳首を遊び始めた。
爪で軽く引っ掻いたかと思えば、今度は潰すようにギュッと摘まれる。
そのあと、優しく先端だけを撫でられた瞬間――。
アドニスの手が、無意識に自身を扱き始めていた。
「神官様、何してるの?」
「んっ……んんっ……あうっ……」
「夢中になって……かわいい……」
耳に息を吹きかけられて、アドニスの手の動きも早くなる。
だが、一向に果てる気配はない。
いくら扱いても、快感が得られないのだ。
男が乳首から指を離した瞬間、先端にビリビリとした刺激が走った。
「あっ……! うぁっ……かゆ……いっ……!」
「ん〜? 次はどこが痒いのかなぁ?」
――しまった。乳首にも何かを塗られてしまった……。
「あうう……かゆいぃ……!」
「どこが痒いのかなぁ? もしかしてここ?」
男は潰すようにぎゅっと乳首をつねった。
「あひぃっ……!」
ビリビリと刺激が走ったと同時に背中が反った。
痛いはずなのに、なぜか痛みではなく快感が背筋を駆け抜ける。
「痛かった? じゃあ、やめようか?」
男の手が、ふっと胸から離れていく。
「ああっ……待って……!」
ひゅっと息が漏れた。
言ってから気づいた。
続きをねだる――求めた声に。
「ん? 今、待ってって言った?」
「ち、違う! 言ってない!」
「ふーん、そう」
男がくすくすと笑っている。
――負けない……。こんなことで屈しては……ユリセス様に合わせる顔がない……!
頭ではわかっていても、身体が言うことをきかなかった。
痒みは消えない。
肉壁を抉り、自分を扱き続けても――むしろ、どんどん強くなっていく。
――もう片方が使えたら、乳首もいじれるのに……っ!
「ううっ……かゆい……!」
「手伝ってあげようか?」
アドニスは力強く首を横に振った。
男の穢れた手で触られてたまるかと、意気込んだものの乳首の刺激は増すばかりだった。
「ううっ……かゆい……」
「どこが?」
くくっと喉を鳴らす音がした。
「教えてよ。どこがかゆいの?」
男は、わかっていて――わざと聞いてくる。
――まるで、獲物がもがき苦しむのを楽しむように。
「うわぁ……乳首がビンビンに勃起してるよ……やらしい……」
「うっ……ううっ……」
「そうやって扱くのが好きなんだ……。先端からいっぱい汁が出てる」
男から卑猥な言葉を投げかけられるうちに、アドニスは身体がどんどん興奮していくのを感じた。
――見られてる……? 僕が一人でしてるの……。
真っ赤に膨れ上がった自身、絶え間なく汁が零れる先端。
反対の手は肉壁へ向かい、腰を上下に揺らして自分の弱点を擦ろうと必死に指を挿入している。
そんな自分の痴態を想像した瞬間、鼻息が荒くなり、アドニスの身体がかっと熱くなった。
「お尻の穴、丸見えだよ? 真っ赤になってヒクヒクしてる」
「やだ……やだぁっ……」
「あれ? 手が早くなったね。興奮しちゃった?」
男が挑発する度に、中心に刺激が走る。
それでも果てそうにない。
ただ、軽い快感が来るだけで、アドニスはもどかしくなっていた。
「言わないで……お願いだから……もう言わないでぇ……」
屈しない。
そう決めていたはずなのに――。
アドニスの心は、すでに揺らいでいた。
ちょっと触れられただけで、快楽に染まっていくのが自分でもわかる。
――負けちゃダメだ。アドニス、お前は神に仕える気高き神官だろ!
「我慢しなくていいんだよ?」
アドニスは、声も出せずに首を横に振った。
すると、男がくすっと笑い――そっと耳元で囁いた。
「ふふっ……本当はもう、イキたいんでしょ?」
「……っ、いや……だめ……僕は……っ……」
「俺が変な薬、使っちゃったからね。そのせいにして、気持ちよくなっていいんだよ?」
まるで、堕ちる許可を与えるような……甘くて、残酷な声だった。
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