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第四章 狂愛に、堕ちて 3 ⭐
「んむっ……はあっ……」
夢中になって男の欲棒を咥えていた。
頭はずっと白く染まっていて、何も考えられなかった。
ただ、「これ」が欲しいと、身体が求めていた。
「ご主人様ぁ……あうう……」
昨日は吐き出しそうになるほどだった灼熱を、今は自ら望んで――。
喉奥まで、口いっぱいに頬張っている。
口内が男の熱で埋め尽くされると、心まで満たされていく。
そして、疼く。
身体の奥が、もっととねだるように。
「ふふっ……可愛い」
男が優しく頭を撫でた。
熱い指先が耳に当たって、背筋がゾワっとした。
――愛されている。
男の凶器が愛おしくて、神へ奉仕するが如く、丁寧にしゃぶる。
その度に男は優しく、髪をすきながら撫でてくれる。
心臓がドキドキとときめいていく。
もう犬になるでもなんでもよかった。
身体を鎮 めてくれるのは、彼しかいなかったから――。
「神官様……上手くなったね……すごく気持ちいいよ……」
「あむっ……はぁっ……」
「もう出そう……このまま口に出そうか? それとも……中がいい?」
――答えは一つしかなかった。
「……ご主人様ぁ……」
机に座ると、両足を開いて、指で蕾を広げた。
張型がきちんと挿れられていることを、見せつけるように。
舌が勝手に垂れて、腰が小さく跳ねた。
――ご褒美が、欲しい……いい子にしてたから……。
声が震える。
唇を濡らし、腰をくいっと揺らす。
「ここに……出してくださいぃ……」
恥も理性も、とうに脱ぎ捨てていた。
求める身体が先に、答えを出していた。
男は満足そうに、くくっと笑った。
「神に仕える神官様は、いつからそんなにスケベになったのかなぁ?」
服がぱさ、と落ちる気配。
すぐに男がアドニスに覆い被さってきた。
熱い肌が重なって、背筋がビクンと震える。
「ちゃんと張型まで挿れて……ほんと、いい子だね」
低く甘く囁く声が、耳元を撫でる。
「頭がおかしくなるまで、しようね」
「あ……うああ……」
嬉しさが胸を締めつけ、息が詰まりそうになる。
そのまま、ぽろりと涙が落ちた。
――まるで愛を告げられた花嫁のように。
男が張型をゆっくり引き抜く。
臀部に白濁液が漏れていく。
蕾に熱いものが当たった。
「あううっ……来てぇ……ご主人様来てぇっ……」
メリメリと中を掻き分けるように、灼熱の肉棒が侵入する。
「ひううううっ!」
――それだけで、軽く絶頂した。
「ふふっ……ねぇ、まだ奥まで届いてないよ……」
「ああっ……あふぅ……」
パン、と最奥に先端が当たった瞬間。
目の前で、パチ、パチと音を立てながら火花がたくさん散った。
ふわっと浮き上がると、深く暗い快楽の底に急降下していった。
「ああああぁぁぁっ!」
屹立から白濁液が勢いよく、胸元まで飛んだ。
いやらしい香りが鼻をつんざく。
――こんなに、こんなに愛されることが気持ちいいなんて……。
もう、清らかな祈りはどこにもなかった。
男の熱を受け入れるたびに、神ではなく彼だけを信じてしまいそうになる。
いや、もう信じていた。
神官としての威厳も、誇りも、すべて――。
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