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59.一緒
可愛いを言い合って、二人で首を傾げた後。
ホットミルクを飲みながら少しだらだら。オレはSNSを見る為にスマホに触れて、クッションに埋まる。コメントのやりとりをした後、なんだか眠すぎて、スマホをクッションの上に置いた。なんだかすごく、気持ちいい。
「――」
どれくらい、そのまま埋まってたのか。「凛太?」という声に気づいて、ふと目を開けると、オレは瑛士さんの右腕に頭を寄りかからせて寝てたみたい。
「あ……すみません」
「全然いいよ」
くす、と笑う瑛士さん。
「オレ……どれくらい寄りかかっちゃってました?」
「少し前から」
「ごめんなさい」
「別にいいよ、可愛いし。でも、ベッドで寝た方がいいかなと思ったから」
「そうですね、もう寝ます……」
はふ、とあくび。
隣でノートPCを見ていた瑛士さんは、ふと、オレを見下ろすと、ぽんぽん、と頭を撫でてくれた。
「寝る準備しておいで」
「瑛士さんは?」
「もう少しだけ仕事しようかなと思うけど」
「――ブルーライト見てると、脳が目覚めてて、寝付いてもあんまり、ですよ? ってオレもスマホ見てたけど……眠れない自覚があるときはやめたほうがいいかもです……」
眠くて寝ぼけながらも思ったことを、瑛士さんを見上げながら言う。すると、瑛士さんはクスッと笑った。
「京也さんがそう言って、ブルーライトカットのフィルム貼って、軽減するアプリは入ってる……そういえば、ブルーライトカットするだけの眼鏡も買ったなぁ……」
「部屋にあるんですか?」
「ん。ある」
「――目に見えないですからね、ブルーライト……でも眩しいと感じる光は浴びない方が……」
はふはふあくびが漏れながらも、最後まで言おうと思うのだけど。だめだ、眠い。
「――瑛士さんも、寝ませんか?」
「……誘われてる?」
「はい……」
「――」
すっごい眠い……歯、磨いて寝よう。あ、ご飯炊かないと……。
そう思ってると、瑛士さんが急に、クスクス笑い出した。
「どうしたんですか……?」
「――いや。何でもない。一緒に寝ていい?」
「瑛士さん、オレと居て、ぐっすり眠れますか?」
「一緒の方が眠れるみたい」
「――でもなんか、オレ、瑛士さんにくっついて寝ちゃってるし。邪魔じゃないですか?」
そう言うと、瑛士さんは、チラッとオレを見て、すぐに、ふっと笑った。
「――全然。邪魔じゃないよ」
なら、いいんですけど……と頷いた。
寝る準備をしてから明日の朝用に、炊飯器を予約した。
リビングの電気を消すと、窓から見えるのは、真っ暗な空。それを最後に目に映して、寝室に向かう。
でっかいベッドの上。二人で座る。
「このベッドって、何サイズなんですか?」
「クイーンサイズだったと思うけど」
「なんでこんなにでっかいんですか? 一人だと、なんか大の字にならなきゃいけない感じがするんですけど」
「大の字になって寝てたの?」
「最初だけですけど」
「そうなんだ」
クスクス笑って瑛士さんが脚まで布団に入る。
「広い方がいいかなってそれだけ」
「そうなんですね……」
普通の家だとこのベッド、寝室からはみ出しそうだけどな。と、苦笑しながら、オレも布団をかけた。
「あ、凛太」
「はい?」
「じいちゃん――多分今週末だと思うって。凛太のお父さんに言うのは、じいちゃんの後でもいい? 最初一緒にって思ったんだけど、こっちが万一、もめたりすることがあったりしたらさ、凛太のお父さんに見せたくないから」
「あ、はい。全然いいです。父のことは気にしないでください」
「一応、凛太のお父さんだからね。その人が居なければ、凛太はここに居ない訳だから。そういう意味では、オレは感謝してるし」
「――――」
仰向けに横なったまま、そう言う瑛士さんを、まだ座ってたオレは、じっと見つめた。
「瑛士さんて……」
瑛士さんて。
何か言いたいんだけどちょうどいい言葉が見つからない。
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