64 / 143

59.一緒

 可愛いを言い合って、二人で首を傾げた後。  ホットミルクを飲みながら少しだらだら。オレはSNSを見る為にスマホに触れて、クッションに埋まる。コメントのやりとりをした後、なんだか眠すぎて、スマホをクッションの上に置いた。なんだかすごく、気持ちいい。 「――」  どれくらい、そのまま埋まってたのか。「凛太?」という声に気づいて、ふと目を開けると、オレは瑛士さんの右腕に頭を寄りかからせて寝てたみたい。 「あ……すみません」 「全然いいよ」  くす、と笑う瑛士さん。 「オレ……どれくらい寄りかかっちゃってました?」 「少し前から」 「ごめんなさい」 「別にいいよ、可愛いし。でも、ベッドで寝た方がいいかなと思ったから」 「そうですね、もう寝ます……」  はふ、とあくび。  隣でノートPCを見ていた瑛士さんは、ふと、オレを見下ろすと、ぽんぽん、と頭を撫でてくれた。 「寝る準備しておいで」 「瑛士さんは?」 「もう少しだけ仕事しようかなと思うけど」 「――ブルーライト見てると、脳が目覚めてて、寝付いてもあんまり、ですよ? ってオレもスマホ見てたけど……眠れない自覚があるときはやめたほうがいいかもです……」  眠くて寝ぼけながらも思ったことを、瑛士さんを見上げながら言う。すると、瑛士さんはクスッと笑った。 「京也さんがそう言って、ブルーライトカットのフィルム貼って、軽減するアプリは入ってる……そういえば、ブルーライトカットするだけの眼鏡も買ったなぁ……」 「部屋にあるんですか?」 「ん。ある」 「――目に見えないですからね、ブルーライト……でも眩しいと感じる光は浴びない方が……」  はふはふあくびが漏れながらも、最後まで言おうと思うのだけど。だめだ、眠い。 「――瑛士さんも、寝ませんか?」 「……誘われてる?」 「はい……」  「――」  すっごい眠い……歯、磨いて寝よう。あ、ご飯炊かないと……。  そう思ってると、瑛士さんが急に、クスクス笑い出した。 「どうしたんですか……?」 「――いや。何でもない。一緒に寝ていい?」 「瑛士さん、オレと居て、ぐっすり眠れますか?」 「一緒の方が眠れるみたい」 「――でもなんか、オレ、瑛士さんにくっついて寝ちゃってるし。邪魔じゃないですか?」  そう言うと、瑛士さんは、チラッとオレを見て、すぐに、ふっと笑った。 「――全然。邪魔じゃないよ」    なら、いいんですけど……と頷いた。  寝る準備をしてから明日の朝用に、炊飯器を予約した。  リビングの電気を消すと、窓から見えるのは、真っ暗な空。それを最後に目に映して、寝室に向かう。  でっかいベッドの上。二人で座る。 「このベッドって、何サイズなんですか?」 「クイーンサイズだったと思うけど」 「なんでこんなにでっかいんですか? 一人だと、なんか大の字にならなきゃいけない感じがするんですけど」 「大の字になって寝てたの?」 「最初だけですけど」 「そうなんだ」  クスクス笑って瑛士さんが脚まで布団に入る。 「広い方がいいかなってそれだけ」 「そうなんですね……」  普通の家だとこのベッド、寝室からはみ出しそうだけどな。と、苦笑しながら、オレも布団をかけた。 「あ、凛太」 「はい?」 「じいちゃん――多分今週末だと思うって。凛太のお父さんに言うのは、じいちゃんの後でもいい? 最初一緒にって思ったんだけど、こっちが万一、もめたりすることがあったりしたらさ、凛太のお父さんに見せたくないから」 「あ、はい。全然いいです。父のことは気にしないでください」 「一応、凛太のお父さんだからね。その人が居なければ、凛太はここに居ない訳だから。そういう意味では、オレは感謝してるし」 「――――」  仰向けに横なったまま、そう言う瑛士さんを、まだ座ってたオレは、じっと見つめた。 「瑛士さんて……」  瑛士さんて。  何か言いたいんだけどちょうどいい言葉が見つからない。

ともだちにシェアしよう!