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第4話 そばにいる、ということ

石段に並んで座った。 手が、触れそうで触れない距離。 ......今日、来てくれて嬉しかった」 ぽつりと落ちたその声に、こっちの胸が少しだけ痛くなる。 「来ても、いい?」「うん。来て」 返ってきた声は、春の陽射しみたいにやわらかかった。

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