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第7話 こんなふうになるなんて

「.....なんで、君なんだろう」 帰り際、背中越しにレンくんがつぶやいた。 振り返ると、紫の髪が夕陽に溶けそうになっていてーー 「最初はただの参拝者だと思ってた。でも.......」 言葉が詰まって、彼はそっと目を伏せた。 「君が来ない日は、変に静かで、寂しくなるんだ」 それが、"特別”ってことだと気づくまでに、時間はかからなかった。

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