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第8話 触れた、その先に

転びそうになったとき、咄嗟に伸ばされた 手。 それがレンくんのものだと気づいたとき、胸がドクンと鳴った。 「.....ごめん、つい」 離れたくないみたいに、少しだけ強く握ら れた指先。 「あのさ、今日は......もう少し、いてもいい?」 その声が、胸の奥に染み込んで離れなかった。

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