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第9話 神さまの悪戯

拝殿の奥、灯りの届かない境内。 「……ほら」 レンくんが指差した先、ぼんやりと光が浮かんでいた。 「狐火、みたいなものかな。たまに出るんだ」 俺がじっと見つめていると、レンくんがふっと笑った。 「君が来てから、よく現れる。神さまも歓迎してるのかも」 光がふたりの間をふわりと照らす。 ――まるで、俺たちを結ぶために。

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