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第11話 祭りの灯がともる頃

境内に、提灯が吊るされ始めた。 レンくんは白装束に袖を通して、忙しそうに動き回ってる。 声をかけようとしたけど、 その後ろ姿に、なんとなく遠さを感じた。 でも、手伝いを申し出たとき―― 「君がいてくれてよかった」 そう言って、ふっと笑った顔に、 俺の胸はまた一つ、灯された気がした。

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