12 / 30

第12話 賑わいの裏のふたり

提灯の灯りが揺れる神社の奥、 ふたりで抜け出した境内の片隅。 「賑やかだね」 「うん、でも……ちょっとだけ、こっちのほうが落ち着く」 レンくんの声が、夜の空気に溶けていく。 「君といると、安心するんだ」 その言葉が、花火の音よりも心に響いた。

ともだちにシェアしよう!