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第14話 気づいてしまった温度差

あの夜から、レンくんは少しだけ距離を置いている気がする。 目が合うたびに、逸らすように笑って。 手が触れそうになると、わざと避けるように。 ――気のせいだって思いたい。 けど、俺の心だけが、どうしようもなく近づいていて。 「……レンくん、俺、なにかした?」 思わずこぼれたその声だけが、静かな境内に残った。

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