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第16話 まだ名前のないこの関係

神社の縁側で、並んでぼーっと空を眺めていた。 会話は少ないのに、不思議と落ち着くこの時間。 「今日も手伝ってくれてありがとう」 レンくんが差し出してきた缶のお茶。 指先がふれる一瞬に、胸が跳ねる。 「……ねぇ」 ふとした間に、レンくんがつぶやいた。 「こうしてると、なんか……家族みたい、だね」 でも、その声が少し震えていたのに、俺は気づいてしまった。

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