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第17話 孤独の中で、出会った光
「……僕、小さい頃から、ひとりでいるのが当たり前だったんだ」
蚊帳のように静かな夕暮れ。
レンくんはぽつぽつと話し出した。
「神社に生まれて、ずっと“役目”ばっかりで。
誰かに甘えることも、頼ることも、知らなくて」
ふと顔を上げた彼の目に、ほんの少し涙がにじんでいた。
「でも、君が来てから――なんだか、心が楽になることが増えて」
「……だから、君のこと、特別に思うのがこわいのかも」
胸の奥が、ぎゅっとなった。
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