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第21話 君が願ったこと
神社の階段を降りながら、ふと思い出した。
「ねぇ、さっきの願い事……何、お願いしたの?」
レンくんは、ふいに立ち止まって、
夕闇に染まる空を見上げた。
「……ひみつ」
「えー、気になる」
「言ったら、叶わなくなるかもだし……」
ちょっと頬を染めながら言う彼に、思わず笑ってしまった。
「じゃあヒントは?」
「……君と、これからもいられますように……とか、かな」
小さく呟かれたその言葉が、胸の奥でずっと響いていた。
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