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第27話 ふたりで迎える朝

ぼんやりとした視界に、 寝ぼけた顔のレンくんが映る。 俺の隣で、布団の端をぎゅっと握りながら、 少しだけ寝ぐせのついた髪が愛しかった。 「ちゃんと、隣にいるね……」 そんな当たり前の言葉に、 レンくんがふわっと笑った。 「朝、君が最初に見えて、安心した」 静かな陽ざしと、ぬくもり。 その全部が、恋より少し手前にあった。

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