28 / 30
第28話 変わらないふりの帰り道
「おはよう」
いつものように声をかけたのに、
レンくんの反応が、少しだけ遅れた。
「あ……お、おはよう」
頬がほんのり赤いのは、朝日だけのせいじゃない。
すれ違う友達に挨拶しながら、
昨夜のことを思い出してる自分がいた。
一緒にいた時間、
重ねた声、そっと触れた手。
「今日も、帰り……一緒に帰る?」
普通のようで、ちょっとだけ特別なその言葉。
隣に並んだ肩が、少しだけ近かった。
ともだちにシェアしよう!
fujossyは18歳以上の方を対象とした、無料のBL作品投稿サイトです。
28 / 30
ともだちにシェアしよう!