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第28話 ※攻めのフェラ、軽い嘔吐表現を含みます

まずおれがタチをするにあたり、手持ちのゴムでサイズが合うのかという問題が出てきた。 というわけで……手っ取り早く立たせるためにフェラをしてもらうことになった。半ば無理矢理。 「多分合うと思うけどなぁ、サイズ 」 「人のちんこ触りながら言うのやめてもらえます?」 「んー……でも経験上萎えててこのサイズだと八割合うんだよな 」 「残り二割は?」 「膨張率による。春樹どっちだと思う?」 「知りませんよそんな……っ……」 答えを言う前に口に収められて、思わず自分の口を押さえた。舌よりも敏感な場所だからか、含まれたそこが熱くてフライパンの上のバターのように簡単に溶けてしまいそうな錯覚に襲われる。 「っう…っ……」 ぬるぬるした唾液を纏った舌が、ゆっくり這う度に喉が震えて声が漏れた。歯を食いしばっても鼻から声が漏れて、それで片桐先輩は気分が良くなったのか、ちゅうっと吸いながらわざとじゅぷじゅぷ音を立てて頭を動かし始めた。 「っあっ…あ、それ、だめ……!」 「んー……うん 」 「『うん』じゃないんですけど!?」と言いたかったがどうせ言ってもやめないし、そもそも口を開けても出てくるのは言葉にならない声だけ。行われている光景が目に悪くて、閉じれば股間への刺激に意識が集中してしまう。アイスキャンディーのように竿を舐るだけでなく、マッサージをするようにふにふにと玉もいじられて血が集まる感じがした。どんどん、出すことに思考が支配される。 「……ん、こんぐらいか 」 片桐先輩が唇を離すと、つっと銀色の筋が伸びた。「偉い偉い」と頭を撫でる代わりに軽く握った手で竿を擦られて思わず蹴ってしまった。 「出したかった?」 「……っさい 」 「サイズチェックしたらまた舐めてやるからこのまま我慢な〜 」 手際よくゴムを開けて、くるくるっとゴムの装着をしてくる。「どう?」と聞かれてもなんと答えればいいかわからない……。 「きつすぎて痛いとか無い?」 「……痛いってことは、ない、ですけど…… 」 「んじゃMサイズか。確かに春樹170センチぐらいだし、SとかLのイメージあんま無いもんなぁ 」 自然と視線が片桐先輩の口を見つめる。さっきまで咥えられていた感覚が、口内の熱が忘れられなくて動く口を目で追っていた。 「んじゃ、ゴム取るから 」 巻き戻しのようにくるくるとゴムが巻き取られて、その刺激でも少し反応してしまう。締め付けから解放されたそれを再度咥えられて一瞬喉が詰まった感じがした。 「ッ……ん……」 舌の動きは容赦がなく、先端を転がすたびに敏感な反応を拾い上げていく。押し上げるように吸い上げられるとビクッと背が大きく跳ねた。 「ふ…っん……」 細く震える息が、喉の奥で絡まる。腰が揺れそうになるのを押さえ込まれ、片桐先輩の指先が強く肌に沈んだ。休む間もなく唇が滑る。強く吸い上げたかと思えば、舌先がねっとりと這い、執拗に敏感な部分を責め立てる。 「っあ、ッ……も…離し、っ……」 耐えきれずに身を捩ると腰を押さえつけるように引き寄せられた。逃げられないように、じっくりと、深く。 喉奥まで沈むたび、押し除けようと添えた指が髪を掴む。縋るような力が強まり、はぁ……っと震えた息が零れた。 「ッ……っも出る…ッ……!」 そう告げた後に吸い上げられた瞬間、ずっと押し除けようとしていた片桐先輩の頭をぐいっと引き寄せた。びゅ、びゅっと熱い口の中に種が撒かれ、舌の動きで飲み込んでいるのがわかった。肩で息をしながら、『気持ちよかった』という感想に脳が支配され——— 「……ん……春樹?」 ぐるぐると、胸の中がゆっくりと回り出す。いつものように片桐先輩と気持ちよくなっただけだというのに、食べたものが酸っぱい塊となって喉の奥から迫り上がって…… 「はく……」 小さく呟いた後、ゴミ箱を引き寄せる先輩の動きは早かった。 + ゴミ箱を抱えひとしきり吐いた後、片桐先輩に肩を抱かれると目頭が熱くなって、口から嗚咽が止まらなくなった。情けなくなって、続けられないことに申し訳なくなって、ぐすぐす鼻を鳴らしながら涙を流すおれの頭を先輩は申し訳なさそうに撫でている。 「……その、ごめんな、春樹 」 謝罪に首を振り、先輩は悪く無いと否定する。伝わっているかどうかはわからないが。 「なんっ、なんかっ……おれ、ほんとこういう、っ、こういうの、だめなんだなって……」 「気にすんなよ。いつもみたいに確認しない俺が悪かった 」 「ちがっ、違くて 」 必死に弁明しようとするおれの言葉を片桐先輩は「うん」と相槌を打って待ってくれる。 「おれ、片桐先輩のこと、『使ってる』って考えちゃって 」 「……うん 」 「そうっ、思ったら……なんか、吐いちゃって……ごめん、なさい……」 「春樹が謝ることじゃねえよ。俺がやりたいなーって思って……俺こそ……ほら、春樹のこと『使ってた』から 」 その言葉に何も言えないで、ただ鼻を鳴らしていると再度「悪かった」と謝罪された。 「おれ、『使われてる』分には……まだ、大丈夫なんです。『怖い』とか『気持ち悪い』って、それだけで、済むから 」 「余計駄目だろそれ 」 「で、もっ……吐かない 」 「吐かなくても駄目だろ、怖いんなら。こういうのはお互い楽しんでやるものだしさ 」 背中をさすられて落ち着いていた嗚咽がまたぶり返す。服に涙や鼻水が染み込むのも厭わず、片桐先輩はぎゅっとおれを抱きしめた。 「無理だったらやってる時でも無理って言っていいから。前やった時からセーフワード決めてんだし、そういう時に使うもんだから 」 そう言われても、抱かれている時……おれがネコの時はセーフワードを使う気にならない。多分片桐先輩のことが好きで、片桐先輩がおれのことだけ考えているのが嬉しくて、もっと続けたいって思って…… 「ごめん、なさい……」 顔を押し付け、くぐもった声でそう告げると「だから謝んなって」と優しく頭を撫でられた。

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