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第2話 手のひら、あと少し

神社の参道を、並んで歩く帰り道。 隣にいるレンが、 時々、ちらっと俺を見上げてくる。 「……ん?」 「なんでもない」 誤魔化すみたいに前を向くレンの袖が、 俺の袖と、ふわって触れた。 それだけで、変に意識してしまう。 手、つなぎたいな―― そう思ったのに、言葉にできなくて、 でも、指先だけが近づいていって。 気づいたら、レンもそっと指を寄せてきた。 触れそうで、触れない。 でも、ふたりとも気づいてる。 そんな距離が、 なぜか一番、甘かった。

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