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第4話 ちゃんと言ってよ
「なあ……俺たち、付き合ってるよな?」
学校帰り、いつもの神社で。
ほうきを持ってたレンの手が、ぴたりと止まった。
「……うん。そう、だよ?」
返事はちゃんと返ってくる。
でも――
「……“好き”って、言ってくれないじゃん」
思わず黙り込んだ俺に、
レンが目を伏せて小さく言った。
「俺だけ……先に言っちゃったみたいで、恥ずかしい」
そんなこと、思わせたくなかった。
「違う。言えなかっただけ」
一歩、レンの方へ近づいて。
「俺も、好きだよ」
やっと言えたその言葉に、
レンの耳まで赤く染まってた。
でも、次の瞬間には――
「……言わせたの、俺だからな」
やっぱりちょっと、拗ねてた。
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