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第29話
しばらくして藍田が、眠った事を確認してから学校の方へと連絡を取った。
藍田のケガや母親の事は、昨夜のうちに主任を介して伝え終えていた。
今日は、緊急の措置として藍田に付き添うと言う事で、休みをもらった。
明日は、午後から医院が休みの秀哉に任さられるとして…
金曜日は、どうするか?
俺の受け持っている授業は、三時限からだから朝は何とかなりそうだが…
昼は、秀哉に任せるかたちになるだろうな…
午後は、定時で帰宅させてもらえるように話してみるか…
ブーブーブーブー
スマホが、鳴った。
ブー
『ゴメン! 鳴らして…土屋。今…仕事中だよな?』
と、メッセージが届いた。
『大丈夫。休みで家に居る…』
『えっ……何で? 向こうは、木曜の昼じゃん?』
『色々、あって…』
『文面が、疲れてそう。通話する?』
『今、人が居るから』
『珍しい!』
アニメのキャラが、ビックリした風な顔のスタンプが、送られてきた。
『誰が、とか言わないんだな?』
『何って言うか…あの土屋が家に誰かを上げるとか? 気になるけど…取り敢えず。聞かないでおいとくねぇ〜』
と、偉い速さで返信されてきた。
『まぁ…今日の所は忙しそうだから』
『バイバイ』
と、それも同じアニメの挨拶スタンプを送ってきた。
フーッと大きく溜息を吐く。
コイツは、こうやって急に連絡をしてくる。
俺の何かを察知したように、こうしてたまに機嫌を、伺ってくれる。
間が、良いような…
気にかけられているような…
頻繁に会えない距離だから、こうして文面だけでも、繋がっているのかと思うと…
安心すると同時に不思議でしょうがない。
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