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第36話 兜合わせ
「じゃあ、なんで龍一は少し嬉しそうだったんだ?」
龍一は言う。彼女を追い出す形になってしまったけれど、もしかしたら、と思ったそうだ。
長い間、女性に反応しない、というか、酷い嫌悪感を持って不能だった自分が、変われるかもしれない、と思ったんだそうだ。
「だっておまえがいる。貴也がいてくれる。」
これ以上の幸せはないと浮かれていたんだ、と。
「やっぱり、ダメだった。彼女には申し訳ない事をした。自分を分析してきた。長い間、呪いのように女性がダメだった。
その身体に手を伸ばした。やっぱり全身が拒否している。鳥肌が立った。」
以前結婚していた時も全く手を出せなかった。
「妻はずいぶん悩んでいたようだ。
私が男には反応する事を知って傷ついたと思う。」
ミチルさんが出て行って二人になった俺たちは、また見つめ合ってくちづけを交わした。
筋肉質な龍一に抱かれて、幸せだった。
「今まで一度も女性とセックスしなかったの?」
俺の質問に
「そう、出来なかった。何かのトラウマがあるのはわかっていた。得意分野だ。
でも自分を分析するのは止めておく。」
そう言って優しく抱かれた。
「貴也だと、こんなになるのに。
触るのも気持ちいいのに。」
「ああ、俺も学生の時,付き合った女の子とホテルに行ったけど出来なかった。
あの柔らかい乳房に萎えたんだ。」
これは一種の病気だと思う。
病気だとしても、それが悪い事だと思えなかった。
龍一に布団の上に押し倒されて、俺のモノが、もう痛いほど勃起している。
龍一が優しく服の上から撫でてくる。ますます硬さを増す俺に
「こんなになって。これが嬉しいんだ。」
そう言って下着に手を入れてくる。
服を着たまま、お互いを弄る。龍一の手がシャツの中に入って身体を撫で回す。
胸の突起を見つけて、指の腹で擦るのが気持ち良くてピクンと跳ねた。
「あ、あ、そこ。」
「ここ、好きだろ。この硬い胸が私も好きだ。」
シャツを捲ってその粒を口で愛してくれる。
お互いの固くなったモノを握り合う。龍一が上になって二人のペニスを一緒に握った。兜合わせ。
この上なくエロい。
「あっ、すごい。」
男同士でしか出来ない形になって抱きしめた。
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