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第80話 何がしたいんだ

 龍一は何がしたいんだ? 「貴也、すごい派手な人たちだね。 何か、関係があるの?」 「いや、なんか誤解があるようだ。 俺の生活に何の関係も無いよ。 はっきりいって迷惑してる。」 「酷い言いようだね。綺麗な男だったな。」 とおるはハッとしたように 「貴也ってそっちの人か?」 (ゲイか、って聞かれてる? どうしよう。 やっと自力で生活出来るようになって来たのに。) 「とおるは偏見とかあるの?」 「いや、身近にそう言う人がいなかったから。 驚いてる。」 (やっぱり驚くような事なんだな、一般人には。)  龍一はわがままな詩音に翻弄されていた。 「馬鹿げてる。私が患者に手を焼くなんて。」  東京の龍一のマンションに住み着いている詩音。  伏せたまつ毛がその頬に今にも消えてしまいそうな儚げな影を落としている。  華奢な首の骨が容易く折れてしまいそうだ。でも強靭なバネが隠されている。キツい愛の行為にも、龍一の愛撫にも応えて跳ね返るような肢体。  脚の指先まで美しい。 「あは、くすぐったいよ。 龍一はすぐ、僕の足を舐めるんだから。」 「うう、綺麗だ。この指の形。」 足の先から欲望が湧き上がる。  龍一の綺麗な顔で、愛撫されて凌辱されている。堪らない。髪に手を入れて龍一の頭を掴む。 「乱暴だな。」 「乱暴なの,好きでしょ。」 頭に軽く足を乗せて蹴る。 「こいつ、誰がご主人様かわからせてやるよ。」 じゃれ合うソフトなSMごっこ。  堪らなく背徳的だ。 「龍一に踏まれたい。」 ベッドから引き摺り出して、やさしく顔を踏む。 端正な顔に傷がつかないように。 「ああ、もっと乱暴にして。」 その綺麗な顔に涙が流れている。 「ごめんよ、可愛い詩音。 私は酷い男だ。許しておくれ。」  顔を両手で挟んでキツいくちづけをする。噛み付くような。舌が口内を蹂躙している。  全部舐めとるように。 「僕の事、愛してる?」 「愛して無いよ。愛してるのは貴也だけだ。」  後孔に龍一の大きなモノを突き立てられて、二人繋がったまま、ここにいない男の事を思っている。 「ああ、もっと奥にちょうだい。」

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