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第92話 あみだくじ
全部で6人。二人ずつ割り切れる。
みんなそれぞれ立派な社会人だ。中には有名人もいる。こんな乱行パーティみたいな事が許されるわけ無い。外にパパラッチいなかったか?
(そんな事を考える俺が不純なのか。)
とたんに心配になった。ここで一番スキャンダルと関係ないのは貴也だけだ。ま、ジェニファーもだが。
あとの4人は著名人だ。社会的地位がある。龍一だって教授選で大事な時だ。
クロードが何か、クジをジェニファーに作ってもらっていた。
「あみだくじ、っていうのを作ってもらいました。阿弥陀様のご加護があるらしい。
ジェニファーのママンが教えてくれたの。」
ジェニファーのママは日本人だった。
6本の縦線の引かれた紙にみんなで横線を入れて行く。中が見えないように下に同じ数字を二つずつ、書き込んで折りたたむ。上にそれぞれが自分の名前を書いてまた横線を数本入れた。
「あは、楽しいね。みんなで悪巧み。」
「どんな組み合わせになっても恨みっこ無し、だよ。」
紙を広げて順番に自分の名前の線をたどった。
下の数字は1から3まで、二つずつ。クロードは下に行って3だった。ジェニファーの数字は2。シオンも2だった。次はユーツー。1だ。
龍一も1。貴也は3だった。
とんでもない組み合わせ。
「これでいいの?」
「決めた事だよ。文句は、おとなげない。
男同士、温泉に入って普通に寝るだけだよ。
あとはそれぞれに任せる。恨みっこ無し、だよ。」
俺はクロードとどうにかなるなんて考えられない。ユーツーと龍一の組み合わせも、なんか嫌だ。シオンとジェニファーはイケるのか?
普通に男女のカップルになるのか?
想像を絶するカップル,爆誕だ。龍一が綺麗なユーツーを抱くのも嫌だ。
みんなで顔を見合わせてしまった。
誰だよ、こんな嫌味な事を考え付いたのは?
クロードが温泉に入ろうと言った。
「温泉は広いからみんなで入れるって。」
「混浴?ジェニファーは?」
「私は大丈夫。まだ、ぞうさんついてるよ。」
「?男?」
俺は気まずい。みんなが平気なのが不思議だ。」
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