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第94話 カップル

 結局、あみだくじも虚しく、自然に出来たカップルでそれぞれ部屋に引き上げた。  クロードは久しぶりにユーツーと濃密な夜を過ごした。  シオンはジェニファーの技巧に蕩けた。女を抱いたみたい、と事後の感想だった。    貴也は、慣れ親しんだはずの龍一とのセックスも場所が変わればまた新鮮で、隣の部屋で他の奴もやってる、と思うと一層興奮した。 「あ、ダメだよ。声が聞こえちゃう。」  日本家屋は、襖で隔てられているだけだ。音は筒抜けだった。  龍一はいつもより興奮して、貴也の身体を欲しがってくれる。 「貴也だけだ。愛してるよ。」  そう言いながら、備え付けの浴衣を脱がせてくる。龍一の中には、もう詩音の影もない。  頭を抱えられて激しいくちづけに息が出来ない。龍一が欲しがってくれる。  首筋を舌が這う。耳元で囁く。 「貴也の匂い。寂しかったよ。」  龍一は、そんな事を言う男だったか? 裸の胸が浴衣から覗いている。貴也がその胸の突起を口に含む。 「あ、ああ、そこ。」 指で捏ねながらもう一つにしゃぶりつく。いつも貴也がされる事を龍一にしてあげた。  ツン、と固くなって可愛い乳首。 「龍一、ここ、気持ちいい?」 「こいつ、いつも貴也のをしてるだろ。」 気持ちよさを知っている。  身体中、舐めまわされてうつ伏せにされて、敏感な後孔に舌を入れて来る。 「恥ずかしいよ。」 「もっとお尻を高く上げて。どこに入れて欲しいのか言って。」 「ああ、そこ。」  朝になって、みんな多少の気まずさを残し、朝食のあと、解散、となった。

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