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第102話 男の身体
朝の空気に目が覚めた。龍一の腕枕で眠っていた。龍一の腕をマッサージする。
「一晩中,腕枕してたの、ごめん。
疲れたでしょ。」
目覚めた龍一が笑う。
「昨夜はたくさんシタね。大丈夫?
起きられるかい?」
「やだなぁ。」
素っ裸で布団から出た貴也の身体を、龍一は眩しそうに見ている。
(男の身体だ。こんな身体を抱いたんだな。)
長い足を折り曲げるように屈んで龍一を見る。
「あっ、離せ!」
足首を掴まれて尻餅をついた。足の間を覗き込まれる。
「可愛いな。起きて来た。」
「触るな!」
足を引きずられてまた布団の中に逆戻りだ。
膝を立てて座った姿勢の貴也の股間が丸見えになった。太ももの内側を舌が這う。
「ああ、ダメだよ。風呂に入ってない。」
昨夜の名残で内ももが濡れている。昨夜は激しさに気絶するように眠ってしまった。龍一が指を入れてくる。
「貴也のここ、濡れてる。」
「女じゃないんだ。自然に濡れたりしない。
龍一が中に出したんだ。」
抵抗も虚しく龍一に征服された昨夜の情事を思い出す。
「ほら、私のを握って。」
「すごくなってる。あんなにしたのに、もうこんな、だ。」
グチャグチャのシーツの上でまた繰り返される饗宴。綺麗な顔で、龍一はそんな所を舐め始める。その端正な顔にゾクゾクする。
口で育てられた貴也のモノは、また硬さを増す。
「貴也の好きな格好でやろう。」
「抱かれて顔を見ていたい。」
足を広げて向かい合わせに龍一に跨る。龍一は慣れた手つきで滑りの良いゴムを装着した。貴也の後孔にあてがう。無理矢理亀頭が入ってくる。
「キツいな。」
裂けそうで裂けない。昨夜から十分慣らしている。
「濡れたアナルがエロいな。」
膝を抱えられてグッと奥に進めてくる。
「はあ、龍一。」
「苦しいか?止めようか?」
首に縋り付いて
「ダメ!離すな。」
抱き合って深い一点で繋がっている。腹に挟まれて勃起している貴也のペニス。
「可愛い。後で飲ませてくれ。」
「龍一っ。」
今までだって、何度も何度も愛し合った。
疲れた身体を龍一に委ねる。身体中愛撫してくれる。貴也は微睡の中。
(貴也の肌は手に吸い付いてくる。
不思議な奴だ。どんな綺麗な男にも負けない。
この身体中、全部私のものにしたい。)
龍一らしくない執着を見せるこの頃。
顎をそのゴツゴツした指で持ち上げてくちづける。夢中になってしまう。
「口が腫れちゃうよ。キスばっかり。」
キスがもっと強く深くなる。
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