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第112話 犯される

 嫌な匂いだ。男の放つ汗臭い匂い。 「おまえ、いい身体してるなぁ。」  おぞましい、ベタついた手で撫で回してくる。 「暴れるなよ。骨、イッちゃったら嫌だろう? もう高飛び込み出来ないよ。」  屈強な男たちがケンの腕を縛り上げた。躊躇なく下着も脱がす。 「綺麗だな。脱毛してんのか?」 ツルツルの内股を撫で回す。ケンのペニスはピクリともしない。縮こまっている。 「おい、シャブってやれよ。」  他の男に命令している。何かペニスにクリームのようなものを塗られた。男のフェラチオとクリームで勃起してきた。 「いいねぇ。欲情して来たか? 綺麗な男は、チンコも綺麗だ。」  気持ち悪い。それなのに勃起している。 「クリームにシャブが混ぜてある。誰でもすぐに気持ちよくなるよ。離れられなくなる。  ケツにも塗り込んだから、入れて欲しくてたまらなくなるよ。」 そう言って勃起したペニスを扱かれた。 「李さん、さっきからコイツの携帯が煩くなってますよ。どうします?」  李と呼ばれた男が携帯を手に取って通話を押してすぐ切った。 「ガシャン!」 放り投げて、硬い床で壊れる音がした。  李が自分の下着を脱いで、逸物をクリームでヌルヌルにした。 「シャブの入ったクリームは効くんだよ。 ああ、いい。」  ケンの身体をひっくり返して逸物を無理矢理、突っ込んだ。 「痛い!」  裂けて血が滲む後孔に情け容赦なく突っ込んで来た。口にタオルを押し込まれて声が出せない。 「う〜う〜。」 首を振って逃れようとする。 「締まるなぁ。スポーツ選手は締まりが違う。 気持ちいいよ。」  男たちも自分の逸物を握って扱き始めた。 「見てるだけじゃ我慢出来ねぇ。」  ケンは初めての経験で死ぬほど嫌な気持ちになって、意識を手放した。  すぐに頬を張られて起こされた。 「寝てんじゃねえぞ、こらぁ!もっと奉仕しろ。」 「おい、写メ撮っておけよ。 一太坊ちゃんに言われたろ。」  写メを拡散させて、ケンの選手生命を、完膚なきまでに叩き潰すのが、この蛮行の目的だった。  ケンは朧げな意識の中で、いちた、という言葉を聞き逃さなかった。  (合田一太。そんなに恨みを買ったのか。)

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