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第138話 仕事再開
「李、俺、今日仕事入ったから。」
「仕事?」
「うん、クロードの所。モデルの仕事。」
九十九里コレクションも終わって、好評に付き、第二弾を準備するという連絡が来た。
李のジャギュア(ジャガー)で送ってもらった。
前回はメインモデルだったが今度は別のモデルが使われる。それでも、クロードのイメージは、ケンだったから結構、重要な位置に置かれた。
「や、久しぶり。」
貴也が来ていた。貴也はモデルを引退したつもりでいる。
「モブで参加するかもしれない。」
貴也はいつも龍一と一緒だ。離れない。
そこにカッコいい車、コルベットでシオンが到着した。
「ユーツーは?」
「今、パリにいる。日本の『可愛い』をパリに紹介するって言う企画。」
「じゃ、俺帰るわ。電話して。迎えに来るよ。」
李に抱きついてキスして見送った。
「ケンの彼、すごい身体。ケンがすっぽり包まれてた。あんな身体に抱かれるのね。」
「やだなぁ、シオンは変な妄想しないでくれ。」
セクシーなカップルに二人の寝姿を想像してしまう。
「僕、欲求不満かな。
誰かに抱いてもらわないと。」
シオンに誘われて断る人はいないだろう。
危険な男。あまりにも魅力的な。
貴也は龍一を見た。不思議そうな顔をして龍一がこちらを見た。
「港の近くに私の同級生だった奴が病院をやってるんだよ。なんか面倒な案件だから手伝って欲しいって連絡が来たんだ。」
たまに大学病院に顔を出しているが、毎日ではない。龍一は時間に余裕があった。
「貴也も手伝ってくれるか?」
「うん、でも俺医学的な事は何も出来ないよ。」
「そこは精神科に特化しているんだが、場所がら、薬物中毒患者が多いんだ。
しかも外国人、中国人の船乗りが多いんだよ。」
クロードが来た。挨拶して顔合わせが始まった。シオンがジェニファー岡井に抱きついて甘えている。中身は男の、作り物のおっぱいが豊満でシオンのお気に入りだった。
小さい声で何か噂話をしている。
「シオン、気をつけなよ。
近頃、変な麻薬が出回ってるんだって。」
ジェニファーは情報通だった。
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