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第151話 ゾンビタウン

 クラブの裏に行ってみた。F市の繁華街の外れにあるクラブ。裏はもう人通りの少ない公園になっている。  地面に寝ている人がいる。座ったまま動かない人もいる。  みんな下を向いて,本当にゾンビだ。身体を起こす気力もないのだろう。 「みんな目がイッちゃってる。」  阿修羅が案内してくれる。 「俺たち、高校生の間でも蔓延してるんだ。」  クロードは 「我々では手に負えない。 こんなに大勢の人を、行政は放っておくのか?」  ジェニファーが 「やっぱり警察の出番よね。」  山崎さんは 「こんな、見苦しい所をお見せして申し訳ない。 若い奴らが全滅しそうなんだ。」 「危険だから、もうお帰りください。 クロードに何かあったら世界中のファンに申し訳ない。」  そんな経緯があった事は、虎ニたち佐波一家にも報告された。 「やっぱり、あいつらがバラまいてるんですぜ。」  あいつらと言っても特定出来ていない。 若松が港の一件を思い出した。 「ケンの彼氏と華僑のボスは無事に帰って来たんだろう?」 「あのコンテナ事件がハッキリしねぇんだよ。 落とし前も付けてないんだろ。」  あんなにみんな集まった事が有耶無耶にされている。佐波組長は,日本の港が中国からのコンテナの中継地点にされている事を危惧していた。 「なんで警察は動かない?」 「外務大臣が来たこともあって、とにかく中国の荷は触らないように厳しく言われている。」 「おかしいだろ。政治家が絡んでいるなんて。」 「梁大人と李星輝が拉致られた一件も、問題にされなかった。被害届も出したのに。」 「港湾警察の管轄だ、とこっちは顔を立てたんだ。ふざけやがって。」 「なんだかおかしいですよ。 仮にも人死にが出てるんです。 F市では、数人が命を落としてるんだ。」  赤ドラゴンのアジトに、李たちが拉致された時、食事を運んで来た男が訪ねて来た。 「助けてください。 わたし、殺される。 船乗りなんだ。 でもコンテナの秘密、知ってる。  ここのボスには謝るよ。 わたし、隠してるけどウイグル人。 スパイだと思われてる。」

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