2 / 6
第2話
「うおおおおおおお!」
リオは杖を振りかざし、衝撃波を唱えた。
魔法使いの中でも高度な技だ。
しかし、ラグナは微動だにせず、伸ばした片手に魔力を集中させた。
衝撃波はまるで紙を裂くように掻き消え、代わりにリオの身体が吹き飛んだ。
「ふっ……ぬるいな。この俺に、加減しているのか?」
「う、うるさい! これでどうだ!」
一瞬で目の前がキラキラと輝き始める。
魔族の最大の弱点――光魔法だ。
――これで、今度こそ……終わりだ!
「魔王! お前の弱点見切った!」
「くっ……!」
ラグナが一瞬怯んだ。
――好機!
リオは光の中へ飛び込んでいった。
手元にある、小さな封印の箱。
それにラグナを閉じ込めれば、この世界は救われる――
しかし……
「ああっ!」
カラン……と杖が床に転がった。
ラグナは片手でリオの首元を締め付けていた。
小さな身体は、ラグナの掌の中で、軽々と持ち上げられてしまった。
「く、くそ……」
「ふふ……このまま絞め殺してやろう……」
ラグナの手に力が込もる。
「うううっ……苦し……」
万事休す……と思った、その時。
ともだちにシェアしよう!

