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第3話 ⭐️

「お前は何度来ても、学習しないな」  ラグナは呆れたように言うと、リオの顎をすっと持ち上げた。  そのまま、熱い唇が一方的に重ねられる。 「んんっ……や、やめっ……んぅっ……」  舌が強引にねじ込まれ、歯列をなぞられる。  ぴちゃ、と音を立てて舌が吸われ、リオの腰が無意識に跳ねた。 「あ、うぅっ……はぁっ……や……」  ラグナの唇が、名残惜しげに離れる。  リオは、呼吸すら整えられず、ただぽかんと口を開けていた。  潤んだ瞳はとろんと蕩け、舌が……だらんと、自然に垂れ落ちる。  ラグナはそれを見て、小さく喉を鳴らした。  すっと手を伸ばし、リオの舌先を摘まみ上げる。 「……かわいい顔だな」 「う、うるさ……っ、や……やめてっ……」  やっと正気を取り戻したリオは、慌てて口を閉じようとするが遅い。 「さっきまで俺に勝つと言ってたのに、もうこんな顔か」 「ち、ちがっ……僕は……まけな……っ、あっ……」  ラグナが指先でリオの唇を撫でた瞬間、リオは腰をぴくりと震わせる。  ラグナはリオの身体を軽々と抱き寄せ、そのまま腰に手を添えると、力強く床へ押し伏せた。 「お前は、この体勢が好きだったな?」  突然の体勢の変化に、リオは一瞬言葉を失う。  四つん這いにされた背筋がぞくりと粟立ち、心臓がひとつ跳ねた。 「ふっ……ふざけたことを……っ、や、やめっ……!」  ラグナは応じることなく、リオの後ろから手を回す。  するりと滑り込んだ指が、敏感に立ち上がった屹立を包み込むように掴んだ。 「ひゃうっ……あっ……!」  ビクンとリオの身体が跳ねる。  頬が熱くなり、唇が震えた。 「勃起させながら、言われてもな……」 「う……うるさいのぉ……負けないぃ……あっ……だめ……動かさない……で……っ」  ラグナは、あえて優しく扱き上げる。  そのたびに、リオはびくびくと腰を跳ねさせ、甘い喘ぎを漏らした。 「ふふ、こうだろう? お前の好きな扱き方は」 「ああっ……違う……違うのぉ……」  リオは頭を振ったが、身体は逆らえず、ラグナの手の中でぴくりと跳ねた。 「ふふっ……違うかどうか、こっちに聞いてやる」  ラグナはくすりと笑うと、リオの腰を片手で抱き寄せた。  指先がゆっくりと蕾をなぞる。  リオの背筋が震える。  そのまま、指が──ずぷ、と熱の中へ入り込んだ。 「あえええっ!」 「おい、もうどろどろだぞ。少しは我慢という言葉を覚えたらどうだ」 「んひっ……違うぅ……ぼ、僕はぁ……」 「セックスしに来てるんだろ?」 「違うっ! 違うもんっ!」  リオは必死に頭を振った。  だけど、ラグナの指に絡みつくように中が締まり、熱を持って蠢いてしまう。 「ああっ……だめ……負け……ないぃ……!」  リオは必死に言い聞かせるように叫ぶが、 震える腰は裏腹に、ラグナの指を求めるように自ら揺れていた。  ラグナは小さく息を吐いた。  その視線は、快楽に堕ちていくリオを映しながら、どこまでも静かだった。  ゆっくりと、口元が吊り上がる。  喉の奥で、くすっと笑いを噛み殺すように低く息が漏れた。 「……そうか。負けたりしないんだな?」  (あざけ)るように囁きながら、ラグナは指の動きをぴたりと止めた。  しばらくの間、わざと焦らすように──  中の(ひだ)を、ぐる、ぐる、と円を描くように掻き回すだけに留める。  浅く、ゆっくりと。  リオの中を溶かすようなリズムで、じわじわと弱らせていく。      しばらくそうしていると―― 「ううぅん……まだぁ……?」 「まだ? 何がだ?」 「くっ……! 僕を慰みものにするなら、さっさとしろ!」  リオは必死に強がるように言った。  潤んだ目を反らしながらも、唇がわずかに震えている。  ラグナは小さく肩をすくめ、苦笑を漏らした。 「……お前はほんと、可愛げがないな」  ゆっくりと、リオの髪に手を伸ばし、くしゃっと撫でる。  その仕草は思いのほか優しく、リオの身体がびくりと震えた。 「そろそろ素直になったらどうだ」 「……何をっ! 僕は……偉大な魔法使いリオだぞ……! お前なんかに……負けっ……」  ラグナは指で奥の一点を――ぐっ、と押し上げた。 「ああっ! ああっん……!」 「もう聞き飽きたぞ」  ラグナは目を細め、リオの声を無視するように、ただ、指先で中を撫で、かすかに引っかくように擦り続けた。  リオは何度も「挿れて」「早く」と懇願した。  声はかすれて、嗚咽まじりに震えている。 「ひぃっ……ラグナぁ……おねがい、お願いだよぉ……っ」  腰は、意思とは無関係にピクンと跳ねた。  内側がラグナの指を締めつけて、擦られるたびに、とろんと蕩けた声が漏れてしまう。  だが――ラグナはまだ、挿れなかった。  ただ、わずかに触れるだけ。  奥に当てず、入口付近をそっとなぞるばかり。  リオの中は、焦げつくほど熱いのに、肝心なところには、どうしても届かない。 「やだぁ……おねがいぃ……ラグナぁ……もぉ……いれてよぉ……」  リオは、涙で濡れた顔のまま、ラグナにすがりついた。  ――前は、こんなふうに懇願しなくても、すぐに挿れてくれたのに。  言葉にならない甘えを、視線にのせて送る。  けれど、ラグナはただ、静かに笑った。 「今日は、ちゃんと言わせてやる」  吐息混じりの囁きが、耳元をくすぐる。  そして、ラグナの指が、ぐり、ぐりと中を(えぐ)るように動き出した。 「ああああっ、ああああっ、うああっ、ラグナぁああっ!」  腰が、勝手に跳ねる。  止めたくても、感覚が追いつかず、もうどこをどうしていいのかさえわからない。  涙と(よだれ)がぐちゃぐちゃに混ざって、呼吸すらできないほど苦しくて―― 「やだっ……やだぁ……っ、ラグナぁ……!」  奥を掻き回されるたび、ビクビクと痙攣(けいれん)する身体が、自分の意志じゃないみたいに、ラグナを欲しがっていた。  ――こんな身体、知らないぃ……。  それでも、擦られるたび、奥が痺れて、何かを懇願するように震える。 「……ねぇ……ラグナぁ……ああっ、ラグナぁ……!」    ──拒否したいのに、甘えたい……。  でも、言葉にならない。  リオの理性はもう、ラグナに触れられるたび、壊れそうなほど(もろ)くなっていた。

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