3 / 6
第3話 ⭐️
「お前は何度来ても、学習しないな」
ラグナは呆れたように言うと、リオの顎をすっと持ち上げた。
そのまま、熱い唇が一方的に重ねられる。
「んんっ……や、やめっ……んぅっ……」
舌が強引にねじ込まれ、歯列をなぞられる。
ぴちゃ、と音を立てて舌が吸われ、リオの腰が無意識に跳ねた。
「あ、うぅっ……はぁっ……や……」
ラグナの唇が、名残惜しげに離れる。
リオは、呼吸すら整えられず、ただぽかんと口を開けていた。
潤んだ瞳はとろんと蕩け、舌が……だらんと、自然に垂れ落ちる。
ラグナはそれを見て、小さく喉を鳴らした。
すっと手を伸ばし、リオの舌先を摘まみ上げる。
「……かわいい顔だな」
「う、うるさ……っ、や……やめてっ……」
やっと正気を取り戻したリオは、慌てて口を閉じようとするが遅い。
「さっきまで俺に勝つと言ってたのに、もうこんな顔か」
「ち、ちがっ……僕は……まけな……っ、あっ……」
ラグナが指先でリオの唇を撫でた瞬間、リオは腰をぴくりと震わせる。
ラグナはリオの身体を軽々と抱き寄せ、そのまま腰に手を添えると、力強く床へ押し伏せた。
「お前は、この体勢が好きだったな?」
突然の体勢の変化に、リオは一瞬言葉を失う。
四つん這いにされた背筋がぞくりと粟立ち、心臓がひとつ跳ねた。
「ふっ……ふざけたことを……っ、や、やめっ……!」
ラグナは応じることなく、リオの後ろから手を回す。
するりと滑り込んだ指が、敏感に立ち上がった屹立を包み込むように掴んだ。
「ひゃうっ……あっ……!」
ビクンとリオの身体が跳ねる。
頬が熱くなり、唇が震えた。
「勃起させながら、言われてもな……」
「う……うるさいのぉ……負けないぃ……あっ……だめ……動かさない……で……っ」
ラグナは、あえて優しく扱き上げる。
そのたびに、リオはびくびくと腰を跳ねさせ、甘い喘ぎを漏らした。
「ふふ、こうだろう? お前の好きな扱き方は」
「ああっ……違う……違うのぉ……」
リオは頭を振ったが、身体は逆らえず、ラグナの手の中でぴくりと跳ねた。
「ふふっ……違うかどうか、こっちに聞いてやる」
ラグナはくすりと笑うと、リオの腰を片手で抱き寄せた。
指先がゆっくりと蕾をなぞる。
リオの背筋が震える。
そのまま、指が──ずぷ、と熱の中へ入り込んだ。
「あえええっ!」
「おい、もうどろどろだぞ。少しは我慢という言葉を覚えたらどうだ」
「んひっ……違うぅ……ぼ、僕はぁ……」
「セックスしに来てるんだろ?」
「違うっ! 違うもんっ!」
リオは必死に頭を振った。
だけど、ラグナの指に絡みつくように中が締まり、熱を持って蠢いてしまう。
「ああっ……だめ……負け……ないぃ……!」
リオは必死に言い聞かせるように叫ぶが、
震える腰は裏腹に、ラグナの指を求めるように自ら揺れていた。
ラグナは小さく息を吐いた。
その視線は、快楽に堕ちていくリオを映しながら、どこまでも静かだった。
ゆっくりと、口元が吊り上がる。
喉の奥で、くすっと笑いを噛み殺すように低く息が漏れた。
「……そうか。負けたりしないんだな?」
嘲 るように囁きながら、ラグナは指の動きをぴたりと止めた。
しばらくの間、わざと焦らすように──
中の襞 を、ぐる、ぐる、と円を描くように掻き回すだけに留める。
浅く、ゆっくりと。
リオの中を溶かすようなリズムで、じわじわと弱らせていく。
しばらくそうしていると――
「ううぅん……まだぁ……?」
「まだ? 何がだ?」
「くっ……! 僕を慰みものにするなら、さっさとしろ!」
リオは必死に強がるように言った。
潤んだ目を反らしながらも、唇がわずかに震えている。
ラグナは小さく肩をすくめ、苦笑を漏らした。
「……お前はほんと、可愛げがないな」
ゆっくりと、リオの髪に手を伸ばし、くしゃっと撫でる。
その仕草は思いのほか優しく、リオの身体がびくりと震えた。
「そろそろ素直になったらどうだ」
「……何をっ! 僕は……偉大な魔法使いリオだぞ……! お前なんかに……負けっ……」
ラグナは指で奥の一点を――ぐっ、と押し上げた。
「ああっ! ああっん……!」
「もう聞き飽きたぞ」
ラグナは目を細め、リオの声を無視するように、ただ、指先で中を撫で、かすかに引っかくように擦り続けた。
リオは何度も「挿れて」「早く」と懇願した。
声はかすれて、嗚咽まじりに震えている。
「ひぃっ……ラグナぁ……おねがい、お願いだよぉ……っ」
腰は、意思とは無関係にピクンと跳ねた。
内側がラグナの指を締めつけて、擦られるたびに、とろんと蕩けた声が漏れてしまう。
だが――ラグナはまだ、挿れなかった。
ただ、わずかに触れるだけ。
奥に当てず、入口付近をそっとなぞるばかり。
リオの中は、焦げつくほど熱いのに、肝心なところには、どうしても届かない。
「やだぁ……おねがいぃ……ラグナぁ……もぉ……いれてよぉ……」
リオは、涙で濡れた顔のまま、ラグナにすがりついた。
――前は、こんなふうに懇願しなくても、すぐに挿れてくれたのに。
言葉にならない甘えを、視線にのせて送る。
けれど、ラグナはただ、静かに笑った。
「今日は、ちゃんと言わせてやる」
吐息混じりの囁きが、耳元をくすぐる。
そして、ラグナの指が、ぐり、ぐりと中を抉 るように動き出した。
「ああああっ、ああああっ、うああっ、ラグナぁああっ!」
腰が、勝手に跳ねる。
止めたくても、感覚が追いつかず、もうどこをどうしていいのかさえわからない。
涙と涎 がぐちゃぐちゃに混ざって、呼吸すらできないほど苦しくて――
「やだっ……やだぁ……っ、ラグナぁ……!」
奥を掻き回されるたび、ビクビクと痙攣 する身体が、自分の意志じゃないみたいに、ラグナを欲しがっていた。
――こんな身体、知らないぃ……。
それでも、擦られるたび、奥が痺れて、何かを懇願するように震える。
「……ねぇ……ラグナぁ……ああっ、ラグナぁ……!」
──拒否したいのに、甘えたい……。
でも、言葉にならない。
リオの理性はもう、ラグナに触れられるたび、壊れそうなほど脆 くなっていた。
ともだちにシェアしよう!

