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第4話
お隣のドアを開ける音がした。
やっぱり今夜もするんだ。五回目か、いや六回目か。
(ほら、やるぞ)
(…わかってるって、ちょっと待ってよ)
(早くこっちこいって)
(あん…もう)
バサッという音。
服を放り投げたのか、布団の上に押し倒されたのか。
(アレは?)
(俺の鞄の中)
(もう、出しとけよ)
おそらく鞄の中を探る音。しばらく無音。早速ゴムでも付けてるのか。いや、いつもはフェラからやってるのに。
(ねぇ…)
(あぁ?)
(怒ってるんでしょ)
(別に…ほら、早く脱げって)
プシュッ、てなんか出したような音。ローションか。
(あぁん…もう少し待って)
(もういいだろ、いれるぞ)
ハァッハァッと荒い息づかいとパンパン音。
(あん…あっ…そこ)
(うるさいな…もう)
今晩はフェラをしてもらえなかったから、機嫌が悪いのか…?
これから、あと二、三時間はお楽しみか、まぁ仲良くどうぞ。
で、俺はヘッドフォンを装着して、勉強を始める。
さすがに五、六回も聞いていると、慣れてくるもんだ。最初は俺の下半身もモゾモゾして落ち着かなかったが、今ではただの話し声にしか聞こえなくなっている。
たまに、その話しが面白い時があって、つい聞き入ってしまう。ちんこの大きさ自慢とか、毛、もちろん恥毛が薄いとか濃いとか。フェラ中に歯が当たったとか、ニンニク臭いからキスするのは嫌だとか。
で、集中するためにヘッドフォンをする。
おばちゃんはどう思っているのか、そっちの方も気になる。自分の部屋を週末のラブホ代わりにしている奴らがいることを知っているのか、いないのか。そして、おばちゃんは毎週末どこにいるのか。
いつもだいたい、十一時くらいに始まって、日をまたいで二時くらいに終わる。
今晩もバタンと扉が閉まる気配を感じ、時計を見ると二時過ぎだ。
さぁ、そろそろ俺も寝よう。
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