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第21話
俺はドアを開けた。
芙実君にはいつもの爽やかな笑顔はない。どちらかと言えば、真剣な顔。
「どうしたの?芙実君…まぁ、とにかく入ってよ」
「ごめん、こんな時間に。それに明日は大事な日だってわかってる」
芙実君は部屋に上がると、奥の部屋にいった。俺は台所でコーヒーケトルに水を入れようとした。
「圭太。コーヒーじゃないんだ。電気消してこっちに来て」
何だろ…
俺は台所の電気を消して、六畳間にいった。
「圭太。圭太は今まで本当によく頑張ったよ…だから今更頑張れなんて言わない」
「…芙実君」
「だから…ちょっとここに座って」
芙実君は、さっき敷いた布団の上に俺を座らせた。
「明日さ、圭太の実力が全て出し切れるように…なぁ、俺を信じて」
芙実君はそう言うと、膝立ちをして照明の紐を引っ張った。部屋が真っ暗になると俺を布団に押し倒した。
えっ…⁈芙実君…なっ何?
「明日、圭太がリラックスして試験に臨めるようにさ…抜くよ、今から」
「ちょっ…ちょっと、ふっ芙実君…」
「圭太。俺を信じろって…大丈夫…何にも考えないで…俺に任せて」
芙実君は俺の股間に手を突っ込むと、優しく触れた。
「あぁ、でっでも…あの…えっと」
俺は、人生最大のしどろもどろだ。
でも、芙実君の手はすごく優しい。
「圭太、腰、少し上げて」
芙実君は、俺の半パンとボクサーブリーフを膝くらいまでずらした。
モロ出しだ。見えてないけど。
芙実君は最初はゆっくり摩ってくれた。それからどの指なのかは、わからないけど、きゅっと強めに締めると、扱き始めた。
直ぐに硬くなった俺のムスコ。ギンギンだ。
うっ…うわぁ…あぁ…気持ちいい…ヤバい
もっと、もっと、って、圭太そのニが出てきて言いそうだ。
「圭太。頭空っぽにして、気持ちいいってだけでいいんだよ」
「…う…ん。芙実君…すごく気持ち…いい…よ」
「よかった…俺に任せて、リラックスして圭太」
リラックスって…それは無理。超興奮状態。
芙実君は、先っぽを撫でたり、指の先で少し掘るように擦ったり…あぁ、もう蕩けそう。
また、絞るように扱いたり、手のひらで包み込んで摩ってくれる。
あぁ…あぁ、もうそろそろ絶頂を迎えそうだ。
俺は手探りでティッシュの箱を探した。
あぁ…もう…もう。
芙実君は俺の動きで察したようだ。
「圭太…俺の手の中に出して」
あぁ、そんなこと。ティッシュはどこだぁ!
腕を伸ばそうとしたら、芙実君にその腕を押さえ付けられた。
「圭太。いいから…ほら」
あぁ…すいません。失礼して。
「…うっ…あぁ…あ…」
俺は芙実君の手の中に出してしまった。
頭の中は真っ白だ。あぁ、何も考えられない。
自分のハァハァという呼吸音だけが聞こえる。そして、ティッシュが引き抜かれるシュッ、という音が聞こえた。
その後、フワッと石鹸の香りがした。それは、芙実君の髪の香りだった。
「圭太。健闘を祈る。じゃあな」
真っ暗な中、芙実君は俺の耳元で囁いた。で、たぶんだけど、芙実君は俺のほっぺに、チュッ、てしてくれた、と思う。
玄関で靴を履いた芙実君は、俺に聞こえるように、後でここの鍵閉めてよ、と言って帰った。
しばらく放心状態だった俺は、ようやくノロノロと起き上がり、モロ出しのまま玄関ドアの鍵をかけた。
そして、また布団に突っ伏すと、そのまま朝までぐっすりと寝た。
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