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第32話
「もう、俺のおかげなわけないだろ…圭太が頑張ったからだよ」
芙実は俺の涙を指で拭いながら言った。
「ううん…本当、芙実がいてくれたから、俺、頑張れたんだ。ありがとう…芙実」
芙実はまた、もうっ、て言うと、キスをしながら、俺を布団の上に押し倒した。
敢えて布団を片付けなかったことは、二人とも暗黙の了解だった。
でも、俺はその前にすることがあるんだ。
「まっ…待って。芙実」
「…どうしたの?しないの?」
芙実も即物的だよね。
「あぁ…違う…する、っていうか、したい…けど、その前に」
俺は起き上がって、芙実も布団の上に座らせた。
「俺、芙実のことが好きだ…だから、合格した勢いとかお祝いとかで、したくないんだよ…まぁ、最初は俺から言い出したことなんだけど」
芙実は俺の話しを真剣に聞いてくれている。
俺は居住まいを正した。
「芙実。俺と付き合ってください。芙実の恋人として、俺は、芙実を抱きたいんだ」
うわぁ、抱きたい、なんて言ってしまった。
芙実は、クスッと笑った。
「圭太は、本当真面目」
芙実は俺の手を取った。
「でも、そんなところも大好きだよ…いいの?俺で」
「芙実がいいんだよ…俺には芙実しかいない」
今度は俺が芙実を布団に押し倒した。
そこからは、圭太その三が待ちくたびれた様子で現れた。
合格発表前に我慢したベロチューを何度もしてから、ダボダボのスウェットを脱がせた。あぁダボダボでよかった…めちゃくちゃ脱がせやすい。肌シャツも脱がせて、細い首筋とか胸元にキスをした。そして、胸の小さな突起にも触れた。指先でそっと摘むと、あん…って、芙実の可愛い声がした。もう、もう、たまらない。大好き芙実。
摘んだ乳首を今度は舌で舐め上げる。芙実は、また声をあげる。あぁ、芙実の喘ぎ声だ。
俺は芙実のトランクスのウエストゴムに指をかけた。その時、芙実がストップをかけた。
えっ…⁈今日はダメなの?
ほら、お前、がっつき過ぎなんだよ。
圭太その一が言った。
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