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第33話

「圭太。圭太って男としたことあるの?」  そうだ…芙実が初めてだ。 「…ごめん、ないよ」 「なんで、謝るんだよ」  芙実は俺の頬を撫でながら言った。 「あのさ…俺も久々だからさ、準備がいるんだよ…この前、抜いた時にわかったけど、圭太って、その…デカチンだしさ」  えっ、デカチンって、そっ…そうかな。なんか恥ずかしいな。あぁそうか、する前に広げないとってわけか…ごめん。何も気付けないでいた。  あっ、ローションだ。 「ごめん…俺、何もわかってなかったわ」 「まぁ、初めてだったら仕方ないよ」  俺は起き上がって、ローションとゴムとティッシュとタオルを枕元に置いた。 「ちゃんと用意してくれてたんだ」 「うん…でも、肝心な時に出すの忘れてた」 「いいよ、そんなの…ねぇ、あっち向いててよ」 「あっ…そうだね、ごめん」 「もう、さっきから、ごめんばっかりだね」  ごめん…間の抜けた恋人で。  芙実はローションを手に出したみたいだ。少しすると、なんか、クチュクチュ、って音がし始めた。芙実の息が少し荒くなってる。  俺、このまま背中向けてるだけでいいのかな。でも、振り向いたら怒られるかな。情けない。 「圭太…こっち向いて」  芙実の優しい声。 「俺、本当に何もわかってなかった。わからないのに、抱きたいなんて言って…でも、心から芙実に触れたいんだよ」 「もう…わかってるよ、そんなこと」  芙実はしょぼくれてる俺のムスコをそっと握った。 「俺たちは、もう恋人同士。恋人同士の初エッチを始めるよ…いい?圭太君」 「はい…よろしくお願いします」  芙実は、俺の言い様に笑った。そしてゆっくりと扱き始めた。  あっ…あぁ…いい…あぁ…  俺の息が荒くなる。早くもムスコは硬くなる。  あぁ、ゴム付けないと。俺は胡座をかいた。 「最初はバックの方がしやすいんだけど…でも俺、正常位が好きなんだよね…だから」  ゴムを付け終えた俺に、芙実はそう言った。  そして、布団の上に全裸で横になって、微笑みながら、圭太、おいで、って言ってくれた芙実。  なんだか、とても綺麗だ。  俺が芙実の脇腹辺りに手を付くと、芙実は両脚を開いて俺の肩に足首を乗せた。 「圭太、いい?…わかるだろ?挿れるとこ」  うっ…うん。わかるけど…入るのかな…いや俺が大きいとかじゃなくて…芙実のそこ、想像してたより小さい。  芙実は俺のムスコに手を添えて、そこに導いてくれた。俺は、俺の先っぽを、芙実のそこに押し付けた。  挿れるよ。芙実。  俺は、ゆっくりと腰を前に動かした。

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