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「――じゃあソンジュ、ちゃんと僕のおまんこ見ていろよ…?」
と言いながらユンファさんは、まずは俺と指をからめて繋いでいる両手をほどいた。
そして彼は四つんばいとなると、俺にその黒いハイネックを着たままの逆三角形の背中を向け――すると必然的に、その細い腰からつづく豊満な白いお尻もまた俺に向ける格好となる。
その格好でさらに彼は、ぬらぬらとした濡れた光沢のあるお尻をやや上向かせるようにすこし反らせ、俺の下腹部に寝ている薄桃のスキンを身に着けた勃起のうえ、その濡れそぼつ桃色のアナルや膣口をわざわざ俺に見せつけてくる。
「……、…」
ユンファさんに「見ていろ」と言われた俺は、男の馬鹿な期待感に満ちあふれる両目に追従した後ろ頭をやや浮かせ、しっかりと喉の全面に顎の裏が密着するまで顎を引き、彼の膣口をしかとこの二つの瞳に映す。
……俺に向いているその逆三角形の黒ハイネックの背中、上半身を前に倒し気味のユンファさんの片手は俺の片膝の横あたりに着かれているが、その一方でその人の白いもう片手は、彼の股の下からおもむろに現れて――その白い長い人差し指と中指がくぱぁ…と、
「……ふふ…、ほら……」
自分の濡れそぼつ桃色の膣口をひらき、彼はいよいよ俺にその華のなかをまで見せつけてくる。
今しがたまで太い俺が入りこんでいた彼のみずみずしい桃色のそこは、今は一センチほどの小さな歪 な穴が開いている。――そのうるんだ桃色の粘膜の穴というのもまた官能的な眺めではあるが、さらに唆 られるのは――彼のその白い二本の指で横に引き伸ばされ、ひく…っひく…っと口を閉ざしたそうにしているその桃色の洞穴の暗い奥から、まるで湧き水のように、とろ…こぽ…と水泡がまじった透明な愛液があふれ出て、その下にある白っぽい薄桃の陰嚢のほうへたらー…と垂れてゆく……。
その豊潤 さがまた生々しいこの淫猥 な眺めは――興奮の生唾を飲んだ俺の喉をゴキュリと、俺が恥ずかしいと思ったほど確かに甲高く鳴らした。
「…はは…♡ 僕のおまんこのなか、よく見えるだろ…?」
「…み、見えます…綺麗です、とても……」
往々にして男はまず視覚情報をもとに性的な興奮を高めてゆくというが、衣服に隠されていた相手の素肌を目にした瞬間はもちろんのことながらも、こと相手の性器を目にした瞬間が一番興奮するものである。
ましてやユンファさんの妖麗 な性器をまじまじ見てよいと、むしろ「見ろ」とまでこの目の淫行を許されて、俺の心拍数が凄まじいほど上がらないはずもなかった。
「…ふふふ…、ねえソンジュくん、お兄さんのおまんこのなか見て、興奮しちゃったの……?」
とユンファさんが妖艶に俺をからかってくる。
「…はい…。綺麗なユンファお兄さんのおまんこを見て、俺、今物凄く興奮しています……」
心拍数の著しい上昇によって俺の胸や両手はその振動に震えているほど、また自分の心臓が騒がしいせいで隣接する肺が迷惑こうむり呼吸も浅くままならないほど、俺は事実凄まじいほどの興奮状態にあった。
……ところで、先ほど彼は「今日は(俺が彼の)彼氏だから」俺を甘やかしてあげる、俺は今日は(彼の彼氏だから)自分に甘えてもよいと言ったが、しかし、やはり多少なりとも彼には「年上のお兄さん」として振る舞うことで悦に入る嗜好があるように思う。
とはいえ、それに関しては俺も彼とは「真逆の方面」で持ち合わせている嗜好といえよう。
俺のそれは今しがた彼に発掘されたばかりの、「年上の綺麗なお兄さん」に甘やかされながらちょっと意地悪に責められる、という若干マゾヒスティックな嗜好においてももちろんそうだが――そもそも俺は普段から、ユンファさんに「僕より年下の癖に!」と睨まれると嬉しくなってしまって、「俺より年上の癖に(年上の俺にめちゃくちゃにされて恥ずかしいね)」と彼を責めて楽しんでいる。
……いや、すると普段ユンファさんが俺に対してしばしば「年下の癖に」というのは、むしろ本当は今日のように年下の俺をリードしたい、上に立ちたい、俺を可愛がりたい――のに、(年下の)俺にばかり乱れさせられて不服、ということだったのかもわからない。
まあ要するにたかが三歳差、されど三歳差、その年齢差というのを普段からお互いにちょっとしたスパイスとして楽しんでいる以上、その嗜好においても俺たちは、まるでそのために誂えられた木材と木材を組み合わせて造る木組みの荘厳な建築物のように、やはり唯一無二の堅固な、かつささやかな点においてまで完璧な相性を誇っているということである。
「……へへ…」とユンファさんが満足げに笑う。
そして彼は俺の下腹部に寝そべっている勃起を、ベッドに着いているほうの手で立て、長い白い二本の指に開かれたままの桃色の膣口にそれの先をあてがうと、お尻を小さく上下させることでくちゅくちゅと膣口とそれの先端とをこすり合わせる。
「…ソンジュくんのおちんぽ…、今までここ…このおまんこのなかに入っていたんだぞ…? はぁ…♡ ねえ、もう一回お兄さんのおまんこのなかに、君のおちんぽ挿れたい…?」
「…はい…」
さて、やはりかすかにも眩暈 がするほど俺は興奮していた。
もうなす術なしというくらい反抗心が湧いてこない。今はおもねたほうがよっぽどこの綺麗な年上の美人から与えられる甘い蜜を享受できる、そのねっとりと濃厚な蜜を腹いっぱい堪能できると俺の男の本能が知っているからだ。
そうして大人しくユンファさんにおもねている俺に、彼はくちゅくちゅとお尻を上下に揺らしながら、「はは…」と嫣然 と笑った。
「今日は随分素直でいい子じゃないか、ソンジュ…。可愛い…♡ ――じゃぁあ…、……」
と言うユンファさんの自分の膣口を開いている二本の指はそのままに、彼のもう片手に立てられている、俺の薄桃のスキンをまとった亀頭の先端が、
「僕のおまんこに、ソンジュくんのおちんぽ……」
ちゅぷ…と、その妖しいてらてらとした光沢をはなつ桃色の膣口にはまり込む。
「ずぷずぷずぷー…って…挿れてあげるからね、ソンジュくん…♡ ――ふふ…、じゃあいくよ、僕のおまんこちゃんと見ているんだぞ…、……」
そして彼の二本指に開かれたままの小さな口は、ずぷぅ…と俺の太い丸みをおびた亀頭をゆっくりと呑み込んでゆく。…するとその妖華からあふれた透明な花蜜が、俺の立てられた勃起の幹につー…といく筋も伝い落ちてゆく――そのままユンファさんは、俺の雄しべが突き刺さってゆく桃色の濡れた花びらを二本の指で開いたまま、ゆっくりと白い豊艶 なお尻を落としてゆく。
「……ぁ…っ♡ ふ、♡ …ん、おっきい…♡ んうぅ…♡」
ずぷずぷずぷ…わずか一センチばかりしか開いていなかった桃色の歪なやわらかい穴のなかへ、俺の太く長い勃起がめり込み、みるみるとなめらかに呑み込まれてゆく。
彼のその小さい桃色の膣口は、いくら粘膜らしい柔軟性があるとはいえ、こうして改めて見るとあきらかに不当な拡張をされているようにも見えて――エ、
「……あぁ…♡ はぁ、は…っ♡ …ソンジュくんのおちんぽ…ぁ…♡ 僕の、…っおまんこのなかに、ずぷずぷ…って、どんどん、入ってくるよ……♡」
「……、…、…」
入って、そう、入ってゆく、入、――俺はあまりの興奮に混乱しているばかりか、今ハッとしたが、俺たちのまぐわいの妖艶な眺めに見入っていたあまり、息を止めていた。
……彼の愛液の水たまりができた俺の恥骨に、彼の濡れたお尻がねちゅ…と密着する。
「…ぁ、あぁ…♡ …僕の子宮に、ソンジュの亀頭があたってる……♡」
「……、…、…」
俺の恥骨に乗っかっているその大きな白いお尻、ふと少し目を上げれば黒により際だつこのくびれた細い腰――俺の股間のうえにまたがって内股座り(曲げた両膝を左右にくつろげている座り方)、さらには前に両手を着いて、ややすくめられた肩ごしに俺へ振りかえる、赤らんだ嬌笑 をうかべた美しい男の横顔、……
「…はぁ……あーあ。ソンジュくんのおっきいおちんぽ、僕のおまんこのなかに全部入っちゃった…♡ へへへ…♡」
「…ッえ、エロすぎる……っ!」
エロすぎる。エロすぎる……エロ、すぎる。
……確 か 俺 は 小 説 家 で あ っ た は ず だが、もはやそれとしか表現が出てこなくなっている。いや、まあ情事のさなかに興奮している男などみんなそんなものか。
「かっ可愛い、可愛すぎる、可愛すぎる……っ!」
あと可愛すぎる。
その愛らしい悪戯な笑顔もさることながら、俺を全部呑み込んだすえに残念ぶっている「あーあ」は可愛すぎる、小悪魔すぎる、最高、可愛すぎる。
――しかしユンファさんは「あれ…?」と俺を見る横目を挑発的に細め、その横顔のふくよかな赤い唇に黒いニットの肩をすこし上げて寄せ、
「……君、まさかこれで終わりだなんて思っていないよな…? ……」
と更なる「エロいこと」をサービスしてくれるつもりらしい。
……ユンファさんは俺のことを横目に色っぽく見やりながら、その白いお尻を浅く素早くぱちゅぱちゅぱちゅと上下させる。
その振れ方がまたあまりにもエr…テクニカルである。――腰から振れているのではなく、お尻の付け根からそのお尻の全体を小刻みに上下に振動させるように、たぷたぷたぷと豊艶な白いお尻の肉を上下に揺蕩 わせるようにして、ずぷずぷずぷとその桃色の肉に突き刺さる俺の勃起を浅く速くくりかえし擦っているのである。…それも彼はさわさわと俺の陰嚢を片手で撫でまわしながらその性技を俺に披露している。
「……、…、…っ!」
何という情景だ――!
もちろん自分のそれに迫る怒涛の快感もさることながら、豊満な白いお尻がたぷたぷと小刻みに揺れて跳ねているこの眺めはあまりにもエ、エロすぎる……!
……俺は凄まじい興奮にまかせてその腰を掴もうと両手を伸ばした。しかしチャラと鳴った銀の手錠の音でハッとした。
俺は今両手を拘束され…――いや、掴めた。
すっかり手錠の存在など忘れていた俺だったが、しかしユンファさんの腰が細いのと、また手錠によって可動域が制限されているとはいえども、俺の両手間の制限の幅はおよそ十センチあまり、さらには男の俺の手が大きいこともあって、……案外彼の腰を掴めてしまった。
「…あ…っ」
とユンファさんが俺に腰を掴まれ、そのことによって悪い予感――せっかく楽しく俺を責めているというのに、また普段どおり自分が俺に平責めにされそうな予感――を覚えて、
「こらっ…あんっ♡ …っン…!♡」
こら、なんて甘い年上の叱責の声をあげたものの、俺が本能のままにユンファさんのお尻を恥骨でぱちゅぱちゅぱちゅと勢い込み殴打するなり、彼はその快感にうなだれた。
「…っだめ、あ…っ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
ばちゅばちゅばちゅと濡れた音が立つその通り、ユンファさんのその白いお尻の肉がたぷたぷたぷと揺らめくそのたび、彼のお尻と俺の平たい恥骨との間にねばねばと彼の愛液が数多の糸を引いては縮まる。
「…っひ、♡ やっだ、だめぇ…!♡ イッいっちゃぅ…!♡♡」
だめ、だめとくねり逃げようとするユンファさんの腰を、がっちりと掴んで逃さない俺の両手の指の背を、彼の熱い手がぎゅうっとつかむ。
おそらく彼としては俺の手を剥がしたいのだろう。が、もはや押し迫る激浪 の快感に「剥がす」という動きをする余裕さえなく、彼は結果としてただ俺を情熱的に求めているように俺の両手を握りこんでいるだけである。――ましてやそれでなくともモ ロ 感 、いや、敏感体質であるユンファさんは今普段よりも感じやすくなっている状態でありながら、ああして俺を一方的に責めていたのだ。
もちろんユンファさんはこれまでその件について何も口にはしなかったが、ああして涼しい顔をしながらも、おそらく本当は彼、込みあげてくる絶頂を俺にそれと知られないように圧殺していた。
――たとえば「焦らしプレイ」というのは、屈伸運動を用いた走り高跳びのようなものである。
そのプレイは言うまでもなく、絶頂を迎えそうになったところでふいと愛撫をやめ、じわじわと波が引いていったところでまた愛撫をしてその波を引き寄せ、…その屈伸運動を繰り返すことによって、いよいよまっすぐと目的地へ駆けて天に登りつめたとき、普段のジャンプ程度の快感よりももっと高く飛び上がるような快感を得られる――バーを空中で弓なりに反らせた背中で越えるように、その宙に浮かぶような強い絶頂の快感はともすると、臆面もなく背中が反れ、腰が上がってしまうほど――。
……と、しかし焦らしプレイの恩恵とはそればかりか、まるで屈伸運動、その準備運動のように体温をあげ、体を整えることによって、焦らされているさなかの性感を高める効果もあるのである。
要するにユンファさんは、俺の知らぬ間にも自分自身でその「焦らしプレイ」をしていた状態だった。
……すると当然、
「……っあぁィ…ッ!♡♡ …――〜〜〜ッ♡♡♡」
うなだれているユンファさんの腰がビクッと丸まり、ビクビクッと反れてはまたビク、と丸まる。彼はうなだれたまま片手で口をふさぎ、俺の腿の上に乗りあげた膝をビクッビクッと内向きに跳ねさせながら、その太ももをぶるぶる震わせている。
「……ぅ、♡ …んん…ッ♡♡」
「……っはぁ、…ふふ……」
そう、ユンファさんはもうイッたのだ。
決して焦らしプレイというのではないものの、自分で自分を焦らしていた彼は、おそらくはそもそも絶頂すれすれまで高められていた上に、さらにはその焦らしによって性感帯から得られる快感が増していたせいで、こうして俺が動きはじめてものの三十秒足らずでイッてしまった。
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