64 / 70
62
別れ話、そしてその達成を労 う一服を終えたユンファさんが、俺の家の浴室へシャワーを浴びに行った。彼のお腹にはその人自身の精液が張り付いていたためであろう。
そして一方の俺はそのあいだに外出のための身支度を済ませた。――といっても、そもそも今日に愛する美男子と対面する予定があった俺のこのたびの身支度というのは、さほどの変化をともなうようなものでもなかった。…当然だが、ユンファさんと会うともなれば、すでに身なりは整えてあったのである。
それこそ俺がした身支度というのは、外出をするために、もとより身につけていた白いカッターシャツに黒いフォーマルなベスト、黒いスラックスに茶色い革のベルト、黒い靴下――に付け足し――カッターシャツの襟もとにネクタイ(臙脂 に白でふちどられた紺ストライプのもの)を締め、そして(今日返却されたばかりの)ベージュのトレンチコートの前をあけたまま着たくらいのものである。
……あとは多少乱れぎみであったこの金髪をあらためてほつれのないオールバックに整えなおし、唇には少々の血色感をあたえてくれる色付きリップクリームを塗って、最後に愛用する黒革のショルダーバッグを肩から斜めにかけたなら、それでいよいよ俺の身支度は完了であった。
俺のその身支度の所要時間はおおよそ五、六分といったところだったろうか。
――しかし、といってユンファさんがシャワーから上がるまでの時間を無為 に過ごした、手持ち無沙汰 に待ちぼうけを食らったなんていうこともなかった。
というのも、俺はリビング中央に置いている赤茶の革張りのソファに座って、これからユンファさんとどこに行こうか、と自分のスマートフォンでデートスポットを検索し調べながら、心躍 る愛する美男子とのデートのプランを立てるのにそれなりに忙しくしていたからである。
さてあれから約二十分後、ユンファさんがシャワーから上がった。彼はあいかわらず当然のように、俺に断りも何もなく勝手にドライヤーまで使って髪を乾かしてから(もちろん別に構わないのだが)、俺の待ちかまえているリビングに現れた。
なお言うまでもなくその人の服装は何も変わっていない――上には水色のパーカ、下には黒スキニーのダメージジーンズ、足には白い靴下を履いている――。
……ちなみに我が家は浴室、厳密にいえば浴室につながる脱衣所の扉がリビングにあるので、帰るために玄関へ向かうにしても一回はこのリビングを通らねばならない。
そして俺はガチャリと開いたドアからユンファさんが現れたなり、ソファからすっくと立ち上がった。ところがユンファさんは俺に一瞥 もくれず、
「……それじゃあね。……」
とだけ俺に声をかけ、クールな無表情でスタスタと玄関へ向かって歩いてゆく。俺はニヤリとしつつ、ソファに座る自分の足もと近くの床に置いていた「あるもの」を拾い上げてから、黙って彼のあとにつづく。
……なおこうなることは俺の予想の範囲内だった。どうせこうなることだろうと思っていたからこそ、俺は彼がシャワーを浴びているあいだに、外出の用意を済ませたのである。――
「……、…」
さてリビングから出た先の直線の廊下を歩いた末、ユンファさんは玄関のタタキを踏むすれすれで立ち止まった。彼ははたとあ る こ と にやっと気がついたのである。――ここに履いてきたスニーカーを寝室に置き忘れた。当然履き物なしには外に出られない。と、ユンファさんが背後の俺に、いや、一回来た道をもどろうと体を返す。しかし廊下をもどろうにも彼の前には俺が立ちはだかっている。
……が、そもそも戻 る 必 要 は な い のである。
「……ふふふ…、もしや貴方がお探しになられているものというのはこ れ でしょうか、俺の王子様…?」
と俺は一足 の白いスニーカーのかかとそれぞれに指を引っかけ、それをぷらんと自分の肩の高さにあげて彼に見せつける。
「……、…」
するとユンファさんはまずチラリと自分のスニーカーを見て確かめてから、面倒そうな目つきで俺の目を見る。…彼のそのあまり光のない群青の瞳は、物言わぬ口に反してじっとりと『メンドくさ。付き合ってらんないわ。いいから早く返せよ』と不満げに言っているようだ。
俺の手にあるこの白いスニーカーは間違いなく彼のものだが、といって彼は肯定の返事をするのさえも億劫 がっているのだ(俺のからかうような質問の、その若干やりすぎのロマンチックに辟易 としているのだろう)。
「…………」
「…ふふふ……」
しかしニヤニヤとするばかりで一向ユンファさんにスニーカーを返さない俺に――その群青いろの瞳がふたたびスニーカーを厳しく見やり、そして彼のその生白い片手は俺の手にあるスニーカーを奪い取ろうとするが、俺はその手をひょいっと軽々 避ける。
「…おっと…。返してほしければ、俺とデートしてください。」
俺がそう依然ニヤニヤとしながら要求を伝えると、ユンファさんは「あ?」と露骨にいら立った態度を取り、うんざりとした細目で俺のことを睨みつけてくる。
「…返せ」
「…ええ勿論お返ししますよ…、このあと俺とデートをしてくださるのならばね…?」
「……、…、…」
すると俺のことをさも具現化した厄介な問題かのように忌々しげに睨みつけてくるユンファさんの、その片方の口端はビキビキと痙攣し、彼のふっくらとした下まぶたも力んでピクピクと震えるように痙攣している。
……しかしややあってから彼は、「はーー…」と降参したらしいため息を吐きながらうつむいた。
「…わかったわかった…。でも今日だけだからな……」
「…どうも。――さて…それでは、この私が王子様のお御足 にこのお靴を履かせて差し……」
と俺が言い切るまえに俺の手からスニーカーをバッと奪い取ったユンファさんは、その白いスニーカーを玄関の灰色のタタキの上にボトボト、と落とす。そして倒れたスニーカーをものぐさにも白い靴下を履いた足で直すと、彼はさっさとそれを履いてゆく。
「…………」
そうしてスニーカーを履きおえたユンファさんは無言で俺に背を向けると、この家の玄関扉の鍵をガチャリと開け、いら立った素早さで俺から逃げるようにその扉から外に出る。俺はタタキに揃えて置いてあった茶色い革靴を両足にひっかけ、かかとを踏みすぎないようにややつま先立ちで、彼につづき外に出る。
そして俺は、――背後にいる俺の気配を察しているだろうに――そのまま行こうとしている彼の手をつかんで引き留め、…というよりかその人の手をつかんだのち、やや強引に指をからめて手をつなぎながら彼の隣にならぶ。とユンファさんはひたと立ち止まった。
「……、…」
そしてゆっ…くりと俺に振り向いたユンファさんのその鬱陶 しそうな顔は、まるで払っても払っても顔にまとわりついてくる蝿 に迷惑している人のそれかのようである。
露悪 というほど深いその眉間のしわ、じっとりと俺を睨みつけてくるその鋭い切れ長の目、チッと舌打ちまでかまされた俺だったが――。
「さあ行きましょうか。ふふふ…」
と悠然としてユンファさんに微笑みかける。
しかし彼は眉をひそめたまま、忌々しそうに俺を睨みつけたまま、ドスの効いた低い声でこう言う。
「だから。僕はデートになんざ行かない。」
「…おやおや、約束と違うではないですか…?」
俺はそう笑いながらも足もとに目を下げ、ひとまずは中途半端につま先だけをおさめているこの茶色い革靴を、何とか足の動きだけできちんと履けないかと試みる。
そのさなかにもユンファさんはこう低い声で反論してくる。
「…は? このスニーカーはもともと僕のもんだ。ただ返してもらっただけだっつの、で。何でそれに対価なんざ求められなきゃならないんだよ。」
そして彼は「離せよ」とまるで俺を脅すような低い声で言うが、なぜか指をからめてつないでいる俺の手を振りほどこうとはしない。――なお、案外俺のかかとは革靴のかかとに上手いことおさまりそうである。
「これは対価交換ではありませんよ。約束です」
「…じゃあ嘘。そんな約束は反故 。」
「…………」
俺は片方の革靴のつま先でトントンとなめらかな灰色のコンクリートの地面をかるく叩く。何とか上手く革靴を履けたので、こうして微調整をしているのである。片方の革靴が足にしっくりときたならばもう片方も、トントンとつま先で地面を叩く。
「……貴方って酷い人。」
とうつむいたまま言った俺は、おもむろにユンファさんのその煩 わしそうな顔へ顔を向け、そして満面の笑みを浮かべた。
「俺とデートをしてくださらないのなら――今すぐこのマンションの屋上から飛び下りて死んでやる」
「……、…」
するとユンファさんがその不機嫌そうな顔をも若干ギョッとさせる。そして片方の下まぶたをピクピクとさせ、
「…なあさっきから思っていたんだが、正直君のそれ、どうも冗談に聞こえな…」
「冗談ではないのだから当然でしょうね。……」
と言いつつ、俺は目を伏せてトレンチコートのポケットに空いている片手を入れる。そのさなかにもユンファさんが呆れかえったふうにこう言う。
「ふぅん…。ということは君、たかだか僕にデートを断られたくらいで死ぬだとか何だとか本気で言っているわけだ…。僕なら恥ずかしくて死んでも死にきれないな。…恥ずかしくないの」
「…ええ勿論恥ずかしいですよ。それにきっと…これで本当に死んだなら、死んでも死にきれぬというような悔いも残ることでしょう。……」
俺はそう言いながら、トレンチコートのポケットから家の鍵を取りだして、玄関扉の鍵穴にその鍵を突き刺す。そしてこう静かな声でいう。
「よもや死霊 とさえなり果てる“想い死に”というやつですからね」
「…“犬死に”の間違いだろ」
「…いえ、俺の死はそこまでの徒 なものとはなりません。――だ っ て 貴 方 も 俺 と 一 緒 に 死 ぬ ん で す か ら 。」
ガチャリ。――施錠する。
鍵を抜き、それをふたたびポケットの中へ入れた俺は、扉のドアノブ――横一線のバー状のドアノブ――をを掴み下げ、引く。ガチ、と拒まれる硬い感覚がある。きちんと施錠されている。
「……、…は…――?」
とユンファさんが、何かゾッとしたような吐息っぽい声で聞き返してくる。俺の言葉がどうもまた冗談には聞こえなかったのだろう。無論これにおいても冗談のつもりではないので、それはあくまでも当然のことだが。
「…無理心中事件…、いえ、あえて情 死 事 件 と申しましょうか…。しかしそれというのは、貴方が俺とデートさえしてくだされば起きようのない悲劇にも違いありません。…」
〚 じょう‐し【情死】
《名》相思相愛の者同士が、合意のもと一緒に命を絶つこと。心中。 〛
俺はユンファさんに顔を振り向かせる。
「……さ、共に生 きましょうか…――。」
と俺はあらためて、なかば怯えたような呆然とした顔のユンファさんに微笑みかけた。――
そうして俺たちは指をからめて手をつなぎ、昼下がりの黄金いろの陽光に照らされている街なかを歩いた。
初秋の日差しにはまだ俺たちの頬を火照らせるだけの熱量があるが、しかし俺たちのその頬を秋のやや鋭い涼しい風が心地よく冷やし――そしてその風はカサカサと乾いた銀杏 の枯れ葉を、俺たちの足もと、赤茶けた煉瓦 道すれすれで舞いおどらせている。
俺たちが並び歩くこの銀杏の並木道、銀杏の木々にはいまだ鮮やかな黄色い葉がゆたかに残っている。
……なお、何も俺たちは宛 もなくこの並木道をただ歩いているわけではない。当然たどり着こうとしている目的地はある。その目的地とは俺の家から徒歩圏内にある大型ショッピングモールだ。
ただし俺は今むかっている目的地をユンファさんには伝えていないので――おそらく目的地を伝えたところで彼は「そういうの嫌だ」とか「そういうの興味ない」だとか、十中八九それについての文句と否定と拒否を口にするに違いないためである――、彼は今はただ俺に着いてゆく他にはない、というような状況ではある。
が――どうもユンファさんは、今「これから何処に行くの」なんて質問を俺にするだけの余裕もなさそうである。
彼はうす赤い顔をしてうつむいている。
「ふふ…照れているんですか…?」
と俺が聞くと、ユンファさんは少しだけその美しい黒眉をひそめた。そしてもごもごとこう言う。
「…照れて…いや、そうじゃ……」
「……、…まあ確かにね…。……」
ユンファさんがいま羞恥心を覚えている理由というのは俺にも明白だった。――親密げに指をからめて手をつなぎ、悠々と街を並びあるいている俺たちに向けられる視線の数が多いためである。
なおこれは俺たちの自意識過剰というわけでもない。――というのも、ともすれば俺たちを見る人らの目と二人の目が一瞬かち合うことすらあるためである。
ほとんどの人はチラと俺たちの顔を、俺たちのつながれた手を、俺たちの大股で街を闊歩する脚をチラチラと遠慮がちに盗み見るだけに留めるが、数人は俺たちに顔を振り向かせてまで見て、ひどければすれ違うまで俺たちのことをじっと凝視してくる人までいる。
まあその視線にふくまれているその人の感情、俺たちに勝手に下しているジャッジ、それに関してはあえて深読みなどしないが、強いていうならそれは俺たちの輝くような美貌のせいか、はたまた男同士で手をつないで歩いている物珍しさからか、あるいは人というのは単純にカップルというだけでついつい見てしまうものなのかもしれない。
ユンファさんがうすく赤面した顔をうつむかせたままに、チラとその薄紫色の瞳だけを隣の俺へ向けてくる。彼は羞恥心のあまり気弱な表情になっている。
「…ね…せめて手、繋ぐのやめ…」
「嫌だ。んふふ…折角街の人たちに貴方を自慢しているのに…。俺の彼氏はこんなに格好良くて綺麗な…」
「いやだから…」
とユンファさんがムッとしながら俺の言葉をさえぎり、上げたその顔を俺に向けてくる。
「勝手に自慢なんかしないでくれる。僕、間違っても君の彼氏なんかじゃな……」
「いいえ。今ユンファさんは、ほとんどの人の目に俺の彼氏としか映っていないことでしょう。」
俺は彼の顔から少しだけ目を下げた。
――秋のこの澄みわたった明るい日差しに照らされてなお輝くように白い美男子の首、水色のパーカの浅いV字の襟にもよく映えるその長めの美しい首筋、そこの生白い皮膚に浮かんでいる数個の紅い痕、その状態の彼と手をつないで自慢げに街を闊歩しているこの俺…――仮に今のこの状態の俺たちを「カップルではない」なんて思う人がいたとて、それこそはその人の妬 み嫉 みからの邪推 で間違いないことだろう。
……俺の目が今自分のどこの何を見ているのか、それを察しているユンファさんはまたうつむき、「わかってるよ…」と気後れしたらしいか細い声でいう。
「キスマークだろ…、何ならみんな僕の首をジロジロ遠慮なく見てくるし、――これじゃ僕、まるで出掛けにでもソンジュに抱かれたみたいだ、…事実はそうじゃないってのにもう、きっと人に酷い勘違いをされて、…」
「いえ、何も挿入を伴う行為ばかりがそれとも限りませんよ。事実ユンファさんは一回射せ…」
「おい言うなよ馬鹿っ、…」
とユンファさんが泣きそうな真っ赤な顔をすばやく俺に向けてくる。いま彼のツリ目はよりつり上がっているが、その人のもとは凛々しい黒眉はいま弱々しく眉尻が下がっている。
「よっ余計勘違いされるだろ、!」
「…ははは…しかしユンファさんはドMなんですから、案外こういう羞恥プレイも…」
「言うなって! もうほんと最悪、…もう帰りたい……」
とユンファさんが泣きそうな声で言いながらうつむく。――さすがに可哀想になってきた、かもしれない。…俺はこう彼に同情めいたやさしい声で尋ねてみる。
「…手を繋ぐのがそんなにお嫌ですか…?」
「……、…」
するとユンファさんはうつむいているその赤い顔に不機嫌を漂わせた。言うまでもないことだろバカ、と彼はいら立っているのだろう。
「嫌なら手を離しても構いませんが…どうなんです。ユンファさんはお嫌なんですか」
俺が再度そのように念押し尋ねると、彼は俺を見ないままボソリとこう答える。
「…ああ嫌だよ。最悪だ。」
「…わかりました。……」
と俺はユンファさんと繋いでいる手をほどいた。
そして――その手で彼の腰を抱きよせる。…するとまともに眉をひそめたユンファさんがまた俺に顔を向け、俺のことをギッとキツく睨みつけてくる。
「…おいこの馬鹿野郎…! 違う、こ、腰を抱くなんてのは手を繋ぐよりよっぽどタチ悪いだろ…!」
「おやおや…ふ、相変わらず我儘 ですね…、まあそこもまた貴方の魅力には違いないんだけれど…――じゃあどちらかでしたら、どちらがいいの…?」
俺のこの質問は、ユンファさんの眉を余計に険しくひそめさせた。
「…何でどっちかしかないんだ、殺すぞ馬鹿犬、…」
「デートなんですから、そりゃあどちらかですよ。…ふふ…いえ、まあ貴方はまともなデートのご経験が無いから、そ ん な 初 歩 的 な こ と さえもご存知ではないんでしょうけれど……」
と俺がなかばけしかけると、……ムッと意地になったユンファさんはまずツンとそっぽを向いた。そして彼は自分の腰にある俺の手を強引にはがし、みずから俺と指をからめて手をつなぐ。
「……手ならまだ彼氏に見えない可能性も無くはないから……」
「……ふ…、……」
可愛い。やはりツンデレか。
そもそもユンファさんは、ここまでに一度たりとも俺の手を振りほどこうとはしなかった。案外彼も本当は、俺と手をつないでデートしたいんじゃないか?
……とすると、もしや先ほど俺が「俺と手を繋ぐのがそんなに嫌?」と聞いたときに彼がムッとしたのは、…実は(意地を張ってイヤイヤ言っているだけで)本当は俺の手を離したくなったから、…だったりするのだろうか……?
「……はは、…」
なんて……まさかな。
そこでユンファさんは俺から顔をそむけたまま、仕返しのようにこう意地の悪い声で言う。
「…ところで…悪いが僕、今日は一銭も出してやるつもりはないから。…そもそも仕方なくソンジュに付き合ってやっているだけだし、…勿論高級フレンチくらい奢 ってくれるんだろ。」
「ええ勿論。…ただ…これから行くところではち ょ っ と し た 節 約 をさせてくださいね。」
なお俺の言っているその「節約」というのは、その実額面通りの「節約」が目的ではない。ましてや俺は、愛する美男子との念願のデートにおいて、それにかかる費用を出し惜しみするような吝嗇家 でもない。もちろん彼が望むのなら高級フレンチをご馳走することさえやぶさかではないのだ。
しかし俺が「したい」と言っているその「節約」においては、金銭が減らない以上のメリットが十二分に存在しているものなのである。
……ところが俺のいう「節約」を額面通りに受け取ったユンファさんは、たちまちまたあの皮肉な強気な笑顔をうかべて俺を見ると、鬼の首を取ったかのようにこう俺をあざ笑う。
「へー節約ね…この僕とのデートで。デートに付き合ってもらっている立場で。…節約だ? このケチ。…ふ、…悪いが僕は、欲しいと言ったものはブランド物でも何でも買ってくれるリッチな彼氏が欲しいんだよ。――そんなんじゃあ僕と付き合おうだなんて百年は早いぞ青年、僕にじゃんじゃか貢 げるようになってから出直しな。」
……なんて、勝ち誇った笑顔でツンッとそっぽを向いたユンファさんが――俺のいう「節約」に泣きを見たのは、ここから約十五分後のことである。
××× ××× ×××
(こちらのご挨拶は「目」のほうにも掲載したものですので、そちらでお読みくださった方はとばしていただいても全然大丈夫です!)
皆さま、いつもお読みいただき&リアクションでの応援のほう本当にありがとうございます┏○ペコッ
またいつもお読みくださる皆さまがリアクションにて応援をしてくださっているおかげでですね、…なんとなんとランキングに入れたり、よりたくさんのリアクションをいただけたり、ブクマ数がぐんぐん伸びたりと!!
皆さまのおかげで、着実に僕ぁ夢を叶えられていっております〜〜。゚゚(*´□`*。)°゚。
僕の作品を読んでくださっている方々って、もしかしてもしかすると、ご神仏レベルに優しくて出来た方々なんじゃ……?(※しかし釣り合いの取れない強欲の鹿はおれです)
でもねもうねほんとにね、えっこれもう少しで商業デビューの夢マジで叶っちゃうんじゃ……!?なんて本気で思えちゃうくらい、最近マジでのびにのびのび伸びまくっておるのですよぉ〜〜!! これぞまさに鹿の高度成長期じゃ〜〜!!!(???)
だからほんとにほんとにね、皆さま、ほんとにほんとにありがとうございますぅ゛(泣)┏〇 ペコリ
これもひとえに皆さまのおかげで、もうさ何つったらいいのかな、何つったらいいんですか!?(?)
ありがとうございますじゃ足りないんですけど、全然ありがとうございますだけじゃ足りねえんですけど、僕何つったらいいんすか!?!?!?
とりあえず宇宙の果て規模の意味合いをもったありがとうございますと、宇宙の果て規模の意味合いをもった愛してるを言わせてください我がシェンロンたちよ……。
ほんとにありがとうございます゛……!(感泣)
オラぜってぇ皆さまにコミカライズ化とかしちゃったソンユンちゃんシェアハピしちゃうかんな、ということで皆さま、どうぞ今後ともよりいっそうのお引き立てエンご愛顧たまわれたら鹿嬉しくって皆さまに感涙のハピ魂送ってしまうからよろしくお願いできたらほ〜〜んとに嬉しいです!!
がんばるぞ〜〜!! しか!!
🫎藤月 こじか 春雷🦌
ともだちにシェアしよう!

