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抜け出したい
【ましろサイド】
青木先生の治療が終わり、部屋に戻る途中にまた尿意を感じてトイレに寄った
この病院のトイレは立ちトイレはなく、一つ一つ広めの個室トイレだから案外落ち着く。
はぁぁ……ちんちんまだ痛いな。
明日も同じ治療らしい。
そして明後日は森田先生……
青木先生との治療の成果を見せなきゃいけないし、メイン治療もあるから気が重い
事前に担当の先生が分かっているから心の準備は出来るけど、気が重いのは変わらない。
退院したいな。
もしくは外泊ってやつしてみたい。
同じ部屋の人外泊してて羨ましかった。。。佐々木先生がいいよって言ってくれたらしい
僕も聞いてみようかな……
んー……そしておしっこ出ない
やっぱり部屋戻ろう
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お昼ご飯何食べようかな……
さっぱりしたやつ食べたいな。
食べたら先生にチェック受けなきゃいけないから、食べやすいやつあればいいな
できたらチェックは伊織先生か竹内先生がいいな。
はぁぁ……こんな緊張した毎日嫌だな……
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夕方少し寒気がして手を伸ばして棚の上の体温計を掴んだ
またきっと熱だ。
患者「当直加藤先生じゃん」
患者「大人しくしてよう」
………僕も大人しくしてよう。
ピピピ
37.8℃……やっぱり熱ある。
だるいな……眠くなってきちゃった。
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【佐々木サイド】
看護師さんからましろが発熱と失禁していたと報告を受けたのは当直に入ってすぐのことだった
発熱も失禁も珍しいことではないけど、あとで診察には行かなきゃかな
佐々木「加藤先生が当直って噂が流れたから病棟静かだよ」
加藤「全員に触診して回ってやろうかな」
佐々木「そういうイジワル思いつくからみんな大人しく過ごしてるんでしょ」
加藤「新だけだなー俺を歓迎してくれるの」
佐々木「新外泊中でしょ」
加藤「そうなの?」
佐々木「言ったよ俺」
加藤先生が午後出勤だったせいか当直だと勘違いをしている病棟はなんだか静かだった
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【ましろサイド】
寝てたら漏らしちゃった……なんで出てほしくない時に限って出ちゃうんだろう。
熱もまだ下がってこなそうだし。頭痛いな
佐々木「入るよー」
ましろ「!!!」
カーテンが開き佐々木先生が入ってきた
佐々木「こんばんは」
佐々木先生?なんで?
まさか……今から治療じゃないよね……。
ましろ「…………治療は…嫌です…」
佐々木「治療が必要そうなくらい体調悪いって意味かな?」
ベッド脇のイスに腰掛け背中を摩ってくれた
佐々木「どこか痛い?困ってることはない?」
なかなか話す機会ないし……言っちゃおうかな
ましろ「…………入院してるの辛くなってきた……ねつ…よく出るから…これが普通なのグズっ……もう大丈夫だから…帰りたい…グズっ」
佐々木「普通ではないよ。これが普通なのは辛いよ」
ましろ「………」
佐々木先生の手あったかい……ウトウトしてきちゃう
佐々木「青木先生の治療どうだった?」
ましろ「………おしっこかけちゃった。」
佐々木「そうなんだ」
堪えきれずに笑う佐々木先生。なんだかその時の事を思い出して恥ずかしくなってしまった
ましろ「治療うまくいかなかった。」
佐々木「出来ても出来なくてもちゃんと前に進んでるから大丈夫。」
……前に進んでるんだ……毎日ちょっとずつ退院に近づいてるって事だよね。
明日が少し待ち遠しくなってきた
佐々木「さて、触診しよっか」
あるんだ……触診。
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佐々木「深呼吸」
佐々木先生は柔らかい声がけをしてくれるから声だけでも力が抜ける感じがする
チクン
でも痛い!!
クニクニ クニクニ
佐々木「少し剥けたね」
クニクニ クニクニ
ましろ「うう///」
前立腺押されながら前いじられるの苦手……
クニクニ クニクニ
佐々木「気持ちいいね」
クニクニ クニクニ
ましろ「うゔ///」
佐々木「この弱い刺激で勃ってくれたらいいんだけどねー。」
グリグリ
ましろ「はっ!!!メソッ」
佐々木「はーい、触診おしまいねー」
最後の一撃グリグリが消灯時間までズキズキ痛み続けたが、グリグリのおかげなのか自力で寝る前にトイレを済ますことができた
強い刺激が必要な身体から早く抜け出したい。
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