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第4話

昨日の夜から丸1日何も口にしていない。 相変わらずハルを追い出したまま、地下室の扉を閉ざしている。 「ゆき……ごめんなさい。中に、いれてほしい」 弱々しいハルの声。 きっと、この人は俺がいないと生きていけないんだ。そう思う。 俺も同じように思っているのに、どうして。 結局こうしていると、ハルの顔を見たくて堪らなくなって、扉を開けてしまう。 「ごめんね、ゆき。……入れてくれてありがとう」 涙を滲ませて弱々しく笑うハル。 大好きで、愛しくて、抱き寄せてきつく腕の中に閉じ込める。 「ハル、大好き。どうしようもなく好きなんだ」 頬を撫でて、ハルの唇を指でなぞる。 顔を傾けて唇を寄せると、顔を逸らされて手で口を覆われる。 「だ、だめ」 「なんで?どうしてダメなの。どうして俺を受け入れてくれないの?俺のこと好きじゃないの?俺にはハルしかいないのに!」 胸が苦しくて、絞り出すような掠れた声で叫ぶ。 背中に腕を回されて、ぎゅ、と抱き締められた。 「ゆき、愛してる」 ずっと願っていた言葉に胸が熱くなる。目頭があつくなって、涙が落ちる。 「ずっと、ふたりで生きて行けると思ってた。でも、そんなの無理だ。こんな生活限界があるんだって本当は分かってた。分かっててずっと引き伸ばしてたんだ。ゆき。ずっと、ずっと愛してる。この先もずっと」 「外、行こうか」 頬を伝う涙を指で優しく拭ってくれる。何かを覚悟したようなハルの顔に急に怖くなって、悲しくて、寂しくなって、ただ、涙が出た。

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