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3(※恥辱)
「さあイブキ、足を広げて」
アイは背面からイブキの太腿を持ち上げた。二人の正面には大型テレビを通してチハルがそこにいる。連続ドラマに夢中になっているようだが、こちら側からすれば、元カレが元カノに向けて大股をおっぴろげている構図になる。
「ぐすっ、い、嫌だ……チハルにこんな姿見られたくない……! やめてほしい……!」
「ん、テレビとの距離が少し遠いか。リモコンは……っと」
ボタンを押すと、テレビを乗せている台のキャスターが動いた。ぐっと距離が狭まって、目の前の彼女が食い気味で覗き込んでいるような形になり、イブキの体温が上がった。
「やあっ! 近付けないでっ! 本当に勘弁してください、嫌なんです!」
恥ずかしくて屈辱的で、涙が溢れてくる。だが気持ちに反して、むき出しのそこはそそり立っている。
「いいな。お前の情けない悲鳴をもっと聞かせてくれ。そうすれば、多少は考えてやらなくもない」言いながら、ふかふかの枕が体の支えになるようにセッティングする。
「ズズッ、んくっ、……僕、あなたに何か酷い事しましたか? 昔にちょっと遊んだだけなのに、ここまで滅茶苦茶にされるほどの謂れは……」
「違う。子供っぽく甘えながら懇願してみろ。こちら側の音声をオンにされたいのか?」
「ご、ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! 傷つけてしまったなら、精一杯謝りますから、それだけはやめてく……やめてぇっ!」
この人は本当にやりかねない。イブキは従うしかなかった。
アイは満足げにイブキの尻を持ち上げると、口を開けた秘部に塗れた肉棒を押し当て、差し挿れた。
「はぐっ、ああっ……!」
おもちゃで遊び倒したおかげで、ズブズブ入って行く。根元まで収まりきると、アイはグラインドを始めた。
「ひっ! あぁっ! あっ! あっ!」イブキは表情をゆがめる。
「まだ声が固いな。もっと秘密裏にイケナイ行為をしているという自覚をしろ。お前は愛した元カノに見られながら、他の男に足を開いて喘いでいるんだ。キスで子供が産まれると思っている時期の、小学生の可愛い女の子に、オス同士のセックスを見られているんだ。興奮するだろう?」
「ッ、しないっ! 興奮なんてするわけないっ! こんっ、なの、悪趣味なだけーーんっ!?」
「威勢がよくて結構だ。じきに壊してやるからな」
舌を絡めて口内を舐め回される。頭がふにゃけてぐらりと胸を逸らすと、下腹部に刻み付けられた相合傘マークを撫で回された。
チハルに、男らしさの欠片もないはしたない顔を見られている。
チハルの視線が、子作りの刻印に注がれている。
チハルにブルンブルン揺れる性器と接合部を露わにしている。
「ダメぇっ! 出ちゃう、出ちゃぅうっ! チハルが目の前で見てるのに、やだぁっ!」
とうとう我慢していたものが込み上がって来て、決壊しそうだ。縛られた手を顔の前にやって隠そうとするが、あっけなく下ろされてしまう。
「お願いだから許してぇえっ! チハルに掛かっちゃうからぁっ! ダメぇ、ちはっ……いやぁあああっ!!」
パンッと腰を打ち付けられると、どびゅどびゅっ!と勢いよく精液がテレビの画面に、チハルの顔や胸元に飛び散った。体の内部にもドブドブ精液が入ってきて、イブキは快感に打ち震える。
「ああ……っ、ああああ……っ」
出してしまった。何なら一番濃いのが出てしまった。だらしなく涎を垂らして、チハルから自分の精液が滴る様子を目の当たりにしたイブキの頬を、涙が伝った。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
正T
「やっ、あっ、もう出なっ、うぅっ!」
正正
バックで突かれて射精して、ベッドの上で乱れながら射精する、最早されるがまま状態なイブキ。短く切った小さい呻き声に代わり、声も細くなってきた。元カレが犯されるだけの濡れ場シーンに、画面の向こうのチハルだって欠伸をする始末なのに、目の前のギラギラした野獣は衰え知らずだ。囁いて、様々な刺激を与えて、体位を変えて、余す事なくむしゃぶりつこうとしている。
――自分が何をしたというんだ。どうしてこんなひどい目に遭わなければならないのだろう。両想いになればそれでいいじゃないか。
何かがおかしかった。これが、直前まで死ぬ事を考えていた人間のやる所業なのか? 両想いになったと自覚した事で、抑えに抑えた枷が外れてこうなってしまったのか?
そもそも、疎遠になったはずのチハルがイブキを訪ねて部屋に戻っているのは不可解だ。彼女は無関係だと思いたいところだが、偶然にしてはタイミングが良すぎる。アイの発言を振り返ると、最初から彼女が訪れるのを分かっていたようだった。だとしたら――?
(僕はハメられたのか……? 一体どこから仕組まれていた? キッチンバサミを盗んだと気付かれるのも、手帳を読まれるのも予定調和だとしたら? チハルと暮らして来た部屋の両隣が彼らの巣窟だったのも、おかしくないか……?)
本当にアイが僕に向けているのは、愛情なのか?
「今、余計な事に意識を飛ばしているな? ――考えても無駄だ。お前の運命の相手はボクらで、目に見えない赤い糸によって引き寄せられただけなのだから……」
「……恋人も仕事も失って、尊厳までぐちゃぐちゃにされて……もう十分じゃないですか。僕にこれ以上何を望むんです……」
イブキは何度目かの涙を流した。腕に擦り付けて拭っても拭っても、感情の雫が零れていく。
アイは労わるように抱き締めた。こちらが悲しむと、決まって慰める行動を取るようだ。ここにわずかながらに人の温もりを感じてしまって、どうにも嫌いになれない。
「……意地悪してしまってすまないな、イブキ。ボクの中の煮えたぎる加虐性は、すべて美海による影響なんだ。――美海とはいつか決別できるように努力する。それにはお前の力が不可欠だ」
美海に悟られぬようにするためなのか、唇をイブキの耳につけて、内緒話でもするように囁く。
「ん……っ」
「子供の頃の、人肌恋しかった時期が恐らく鍵なんだ。チハルでも美海でもなく、ボクを好きだと言ってくれ。ボクに愛を教えてほしい」
「……どうすれば、いいですか」
「チハルへの未練を断ち切ってくれ。まずはそこからだ」
アイは体を離すと、トレーナーの拘束を解いてくれた。イブキはぼうっとした後、解放された手で鼻水や涙の痕を拭う。
「両手を後頭部に、自ら腰を落として愛してると叫べ。童心に帰ったように、チハルに向かって自分はボクのものだと宣言しろ」
名はアイのままでいいと告げ、イブキを起こすと、イブキの体を自身の下半身の真上に固定して、チハルと対面させた。スクワットの形だ。チハルは腕を組んでふんぞり返り、真剣な面持ちでこちらを凝視してくる。これから始まる羞恥のショーの開幕を今か今かと待っているかのような雰囲気だ。
イブキは渋々言われた通り、腰を落とすために亀頭を咥え込んで、後頭部に手を回した。大量の汗が流れ落ち、ハァハァ、フーフーと息が上がっていく。腰を沈めながらチハルに視線をやると、恥ずかしさのボルテージがマックスになった。
「う……、ちはる、ごめん……! ぼく、アイのものになるっ! ちはるよりも、んっ、アイの事が好きになっちゃったぁっ。アイを愛してるっ! 愛してるぅっ!」
パンッ! パンッ! パンッ!
「自分で自分の気持ちいい場所を探り当てて攻め立てろ! 気持ちいいと叫べ!」
「んふ……っ! きもち……い、言えない……っ、恥ずかしいよぉ……っ」
「この場で引くようなやつはいない。すべてを解放しろ! 泣きべそかきながら下品な姿を見られる背徳感に、快感を覚えろ! 子孫繁栄に命を懸けたお前の両親や、バトンを繋いできた歴代の先祖に向けて、全力で敗北宣言をしろ!」
「あっ、ひぃッ、ああん……っ! ちはる、ぼく、気持ちいいよぉっ! 見られながらいやらしい事してるの気持ちいいよぉっ! ホントはちはるとシたかったけど、アイの方がずっといいのぉっ! とうさん、かあさん、ごめんなさい……っ! ああんっ! ああんっ! ちはるとの子供を見せられなくてっ、親不孝なムスコでっ、恥知らずな子種 でぇっ、ごめんなさいぃ~~~ッ!!」
突くたびに本心が暴かれていって、イブキは卑猥なセリフを叫びながら絶頂した。散々射精 したせいか、おっぴろげた恥部からぴゅるっと飛び出した精子軍は、極少数。女の中にも、女の映った画面にすらも届く事なく床に散って死に絶え、御大はガクッと頭を落とした。
一方、生物の敗北を堪能したアイは、勝利の美酒が漏れ出している尻 を見ると、ゆるりと口元を緩め、イブキの腕を引いて抱き寄せた。酔い痴れるような表情で頭を撫でて、呼吸がある程度整うまで待つと、
「口を開けて、舌を差し出せ」
うつろな目をしているイブキに話しかける。黙って従うと、舌先に見覚えのある銀の指輪を引っかけられた。舌で支えるだけでは落っこちてしまうので、慌てて前歯で抑える。
「飲み込むなよ」
舌を出したアイが顔を寄せると、舌先同士がちょんとくっつき合い、押しつぶされ、指輪が互いの間で揺さぶられた。
銀を味わいながらひとしきりイブキとチハルの契約の証をねぶると、アイは指輪を咥え、口内にて転がした後、床に吐き捨てる。唾液に塗れた指輪はコロコロと、明かりの届かないどこかへ消え去った。
「これで、チハルへの未練は捨て去れたな?」
「……」
イブキは暗い影を落として、やがて頷く。アイは優しく微笑むと、シーツの下から小さな箱を取り出して、イブキの前に差し出した。
小箱を開けると、そこには銀のペアリングが収まっていて、てっぺんには宝石の飾りではなく、一粒のタブレットがくっついていた。溶かした飴で部分的に接着されているらしい。
指輪が左手薬指に通されるのをぼんやり眺めていると、アイは一旦その場から離れて水の入ったグラスを二つ用意し、再び寝室へ戻って来る。チン、と軽くグラス同士をぶつけて、一方をイブキに渡した。
「ドラッグの類いではない。信じてくれるか?」
もう一方の指輪を自分の指にはめて、イブキの唇へと運ぶ。イブキは言いなりの人形のように、何もかも受け入れたような諦めた目をして、ゆっくりとタブレットを口内に収めた。
コクッとタブレットをそのまま飲み込む。水を飲む気配が見られないので、イブキの後頭部を支えて、アイが手にするグラスから水を注ぎこんでやる。一口、二口……ゴボッと口から溢れ出て、顎の下から滴るくらいに飲まされると、「いい子だ」と愛おしげに抱かれた。
そうしてだんだん、イブキの気が高ぶっていき、体に――下半身にそそり勃つような変化が起こっていった。
「カハッ、あはっ、みゃははははぁあ~~……♥」
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