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第6話 有料オプションplay R18
男の待ちわびていたところに桜の唇が吸い付くと、それだけでイってしまいそうだった。かくかくと揺れる腰を止める術はなく、ただ桜にされるがまま。桜は焦らしつつも萎えさせない程度に時間をかけて男の体に奉仕した。最後にダムが決壊したようになっている男の昂りを咥える。首を上下にゆっくり動かすと、数秒としないうちに男は限界を訴えてきた。
「っもう出る…」
たまらなくなった男は手で桜の後頭部を押さえつけ、そのまま腰を前後に揺らしはじめた。突然のことに桜はえづきながら、それでもうまく男の竿に舌をそわす。息が吸えなくなるくらい深くまで男を導いた。今にも窒息しそうに頭の中がふつふつと沸騰していた。
ぶる、と男の身体が揺れると桜の口内に生あたたかいものが広がった。男は荒い息をして四肢を投げ出すようにベッドに倒れ込んだ。男が全て出し切るのを待ってから、ティッシュに白濁を見せつけるように吐くと、桜は微笑を浮かべながら
「はい。口内発射で3000円追加オプションです」
と両手を差し出した。
男はかつてないほどの余韻に浸りながら、まわらない頭で財布を取りだしレシートの間に隠れていた野口を3枚手渡す。指先さえもおぼつかない。
「ありがとうございます」
桜がポーチにお金を入れている背中姿を見ながらぼんやりとする。男はしばらく休むと桜に言い渡し、ベッドに横になった。桜はシャワーを浴びにいき、スマホのアラームを確認する。ちょうどplay時間終了の5分前だった。手早く荷物をまとめて男の隣に腰掛ける。そこで男はぽろりと弱音をこぼした。
「俺、こんな厳つい顔でゲイだからずっと独り身でさ……君みたいに可愛い子にしてもらえて嬉しかったよ」
感傷に浸るような男の声音に気づいた桜は、ふふっと自身の口に手をあてて微笑を浮かべる。
「そうだったんですね。でも、お兄さんならすぐに彼氏できそうだけどなあ」
「……そうだといいな」
桜は苦笑を浮かべる男の手のひらを取ると、ぎゅと握ってその甲に接吻する。
「もし出来なくても、僕を呼んでくれれば一時でも彼氏になりますよ?」
ふふっと照れたような笑いを見せ、桜はホテルを後にした。
男が次に指名してきたのは翌月5月の給料日だった。
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